第10話 使役術
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「これは?」
「『響凱の血』、響凱は元十二鬼月らしいから無惨に近い血だと思うよ」
「っ!ありがとうございます!」
そこで『?』マークが出てきた炭治郎。
「何で俺が『鬼の血』を集めていること知ってるんですか?」
「うん?うーん・・・感かな?陰陽師の」
唇に人差し指を当てる霧香。
不思議な心持ちのまま痛い体を起こす。
「ちょっと炭治郎?!大丈夫なの?」
「痛いです!」
『元気一杯に言う事か?』と苦笑するが背中を向ける。
「え?」
「おんぶ」
「いや!いやいやいや!!駄目です!!」
「痛いんでしょ?肋と足」
「うぐっ・・・」
「悪化させるといけないからおぶさんなさい、臓器に刺さったりして内出血でお陀仏になったらどうすんの?」
「臓器に刺さる・・・内出血・・・」
骨折でも痛いのに臓器に骨が刺さる・・・想像しただけでも嫌だ。
「おぶさる気になった?」
「はい・・・」
「よし」
炭治郎が大人しく背中に凭れかかってくると足を抱えて立ち上がった。
てる子と清を迎えに行くために歩き出す。
「なんか・・・霧香さんに男らしいところ見せられてない気がする」
「そんなことない、炭治郎はちゃんと『お兄ちゃん』をしてたよ」
「え?」
「てる子と清の前でさ、禰豆子ちゃんの前と同じ顔してた」
「・・・・・」
「いいね、下の兄弟がいるのって」
『クスッ』と笑う霧香。
〈霧香さんもそう思ってくれてたんだな〉
最終選別の帰りに自分が思ったことと同じことを思ってくれたことが嬉しかった炭治郎だった。
――――――――――――――――
「さて、着いた。一度下ろすね」
てる子と清が待っている部屋についたので炭治郎を下ろした霧香は声をかけながら襖を開けた。
しかし・・・。
「キャァアア!!」
「うわ―――っ!!」
「!」
「いでっ!」
てる子と清が投げた急須や本が炭治郎に当たる。
「落ち着いて!私たちだよ!」
「あ・・・」
「炭治郎さん・・・霧香さん・・・」
「つっ~~・・・何で物を投げつけるんだ!?」
物が当たった炭治郎が涙目で尋ねる。
「ごめんなさい、鼓が消えちゃって、混乱して・・・・」
「あ、なるほど」
つまり誰が来ても『移動できる手段が無くなった』ので仕方なく物理的に身を守るしかなかったわけだ。
「あの鬼はもういないよ」
「ほ、ホント?」
「うん、さあ外に出よう、炭治郎も大丈夫?」
「はい・・・」
「でも、どうしようか・・・清くんも炭治郎も負傷してるし」
さすがに二人は背負えない。
「大丈夫です、俺は自分で走れます」
「本当に?無理しないでいいんだよ?」
『心配無用』オーラ全開の炭治郎。
「じゃあ、てる子をお願い。清くんは私が背負うから」
「はい!」
四人は出口に向かって走り出した。
「そういえば、いつの間にか他の鬼の匂いが消えてる・・・」
「アカリたちや善逸くんが倒してくれたのかもね、どちらにしろ進みやすい!」
鬼がいなくなったといっても安全とは限らない、霧香と炭治郎は二人を連れてできるだけ足を速めた。
続く
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管理人からのおまけ
原作読んでいて響凱はとても印象に残る鬼でした。
『認めてくれる人』がいたならもしかして鬼にはならなっかったのではないか?と思うくらいに・・・。
人間の頃の性格はわかりませんが、根は努力家で健気な人だったのではないかと思います。
なので今回は『使役鬼』という形で生きていただくことにしました。
もっというなら担当声優の諏訪部さんの『小生の作品も鼓も血鬼術も認められた』というセリフを聞いて、『これは殺せない!』という気持ちになりました。
たぶん響凱の声が諏訪部さんでなければ生き残らせてなかったと思います。
以上、作品オリジナルストーリー導入の裏事情でした。