間章 それぞれの時間・煉獄杏寿郎
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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そしてその日の夜――・・・。
「夫婦になれたな、霧香」
「はい」
杏寿郎は夜着の姿で優しく妻を抱き締めた。
「霧香・・・俺の霧香・・・」
後頭部に口づけを落とし、首の付け根、首筋、そして襟を開き肩から腕、そして背中へと唇を進める。
「あっ・・・ダメッ////」
咄嗟に垂れさがる着物を掴んでしまう霧香。
「痣を俺に見られたくないか?」
「・・・・・・(コクリ)////」
体が強張っている、自分の命を縮めるものを見て杏寿郎は気分を害すと思っている様だ。
「大丈夫」
杏寿郎は霧香の強張っている肩や腕、手の力を和らげる。
そして背中の着物を徐々に下ろしていく、そこには雪の結晶の形をした痣があった。
チュッーー・・・
「ひ、ああ・・・」
「綺麗だ、霧香・・・君の体も、この痣も・・・赤く染めたその顔も」
背中や肩、首筋に何度もキスをしながら、今度は彼女の唇に己の唇を当てる。
「つっ・・・ふうぅ・・・」
「ちゅう・・・はあ・・んんっ・・」
口づけの間も杏寿郎の手は霧香の胸や腰、太腿をまさぐっている。
「綺麗だよ、俺のただ一人の花嫁・・・」
杏寿郎は寝床に霧香を寝かせ、覆い被さった。
「さあ、君からも言ってくれ。俺への気持ちを――・・・」
「はあ・・・んんっ・・・////」
霧香は恥ずかしながらも杏寿郎の首に手を回した。
「愛しています、この世界でただ一人の私だけのあなた・・・」
二人はその夜、想いを存分にぶつけ合った。温もりで、口づけで、体内で――・・・。
―――――――――――――――
同じ刻限、別室にて。
「父上、本当に参られるのですか?」
「ああ、これは私の最後の役目だ。霧香の花嫁姿も見れたことだ、もう思い残すことはない」
「椛、音羽、お前たちもか?」
「はい、私たちはあの男に一矢報いたいのです。そのために音羽にはあの作戦から除外させてもらったのです」
「だがその代わり、もっと過酷なことを音羽に強いることになるぜ」
「構いません」
音羽は凛とした立ち振る舞いで椛の横に立つ。
「私は御家のため戦うのみです、ここ(海野家)を守れるならば私は椛様の重責を互いに背負いましょう」
「母上は・・・」
「これも私の責務です、夫が行くのに私が行かないわけにはいきません」
「「・・・・」」
「後の事は頼んだぞ、晴哉、那津蒔。お前たちならば呪術家を先の世まで残してくれると信じている」
瀬津寿と安岐は息子たちを抱き締めた。
「晴哉よ、お前は私には過ぎたる息子だ。だがその才覚、余すことなく今後の人生で使うのだ、海野家の一層に繁栄を願っているぞ」
「はいっ、父上・・・」
「那津蒔よ、幼い頃は何かと悪戯などして困らされたが、そのお前も今は海野家当主の側近だ。これからも兄を助け、家族を大切にな」
「ああ・・・任せてくれ」
晴哉と那津蒔は椛の方を向いた。
「椛、これが今生の別れになるとはな」
「お前は俺たちにとってよくできた妹だ、できれば音羽と・・・勇翔と結婚させてやりたかった」
「兄上、それは無しですよ。私はこれで良いのです、今世で結ばれるのは叶わずとも巡り巡って私たちはまた会えると信じていますから」
ニッコリ微笑む椛を抱き締める、兄二人。
「武運を祈るぞ」
「心置きなくやってこい」
「はい」
杏寿郎と霧香が夫婦となり、初夜を迎えていた時、別の所で新たな歯車が回り出す。
続く