間章 それぞれの時間・煉獄杏寿郎
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「お帰り、霧香」
「只今戻りました」
久々に実家に帰ってきた霧香、父親の瀬津寿も母親の安岐も嬉しそうだ。
「稽古、ご苦労だったな。無事力をつけられてなによりだ」
「はい、柱の皆様には感謝の念に堪えません。不死川様には少々ムキになってしまいましたがそこは甘んじて受け入れていただきたいと思います」
「霧香、久々の我が家よ。もう娘に戻りなさい」
「あ・・・ごめんなさい、つい癖で・・・」
「はははっ!堅いところは安岐にそっくりだな!」
「あなたが砕け過ぎるんですよ」
両親はいつでも仲が良い、霧香は幼い頃よりずっと見てきた。ここまで夫婦仲が良い者たちも多くはないだろう。
いつか自分が杏寿郎と正式に夫婦になったらこの二人のようにできるだろうかと日々思うのだ。
「ところでな、霧香。産屋敷家から文が来た、お前の所にも鴉を通して届いたはずだ」
「はい」
「『柱に昇格させる』とあった、お前はどう思う?」
「正直、重責だと思っています・・・私もあまね様からお館様が『階級昇格』のお話が出ていると聞いた時、辞退しました。
父さんも晴哉兄さんも『功績というのは本来成し遂げたものが評価されるものである』というのは私もその通りだと思っていたし」
「では『柱』を辞退するか?」
「いいえ、それはしません」
「何故だ?」
「あまね様やお館様と約束したからです。
『次の任務で私が十二鬼月の頸を斬って倒したならば、その時は昇格のお話をお受けする』と・・・その次の任務が刀鍛冶の里でした。
お約束通り、私は上弦の肆の頸を斬って倒しました。
そして約束の昇格は『甲(きのえ)』でした、流れでは私は『甲』に昇格するはずでしたが最終決戦も近い。
そう考えたお館様が『甲の階級になり、十二鬼月を倒している』とある意味で条件を達成したと判断し、その上の『柱』のいう階級に昇格させたのだと思います。
もし、お館様がそうお考えになってくださったのなら・・・私はその期待に応えたい。
おそらく『柱』として戦うのはごく短い時間でしょう、ですがその短い時間でも私はこの力を使いたい、だから辞退はしません」
霧香の決意を静かに聞く瀬津寿と安岐。
「変わったな・・・いや、成長したというべきだな」
「ええ、あの幼く周りの声に振り回されていた霧香が芯を持った立派な女性に成長しましたね」
二人は頷くと隣りの襖に向かって声をかけた。
「え?」
襖の先には杏寿郎が座っていた。
「お前の覚悟、しかと受け取った。思う存分役目に励め」
「父さん・・・」
「そして・・・ここからは父としてお前に伝えたいことがある。
これは私だけではない、安岐や晴哉たち兄妹、杏寿郎殿、槇寿郎殿と皆で話したことだ」
杏寿郎に中に入るように促す瀬津寿。