間章 それぞれの時間・悲鳴嶼行冥
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「私がここ残りたい理由も・・・最後の戦いのまでの間、あなたと一緒にいたかったから・・・」
琴乃としては自分の気持ちを聞いてくれる、少しだけこうしてもらえるのを許されるだけでよかった。
もし断られても自分は悔いはない・・・、自分も行冥もこれから鬼の元締めと戦うのだ。仲間ももちろんだがこの人が平和な時間を過ごす世の中が訪れるならば自分は死んでも構わない、これは自分の初めで最後の恋だ。
ならば多少強引でも許されるだろうと思っての行動だった。
だが彼女のこの行動は嬉しい意味で裏切られる。
「きゃっ!?」
気づけば押し倒されている琴乃、しかも絶佳もいつの間にか消えていた。
「・・・・・」
「ひ、悲鳴嶼様?」
「私が・・・」
「?」
「私がいつからお前のことを想っていたのか、教えようか?」
「え?」
「お前の兄からお前の話を聞いている時は『気立てが良いのに力のせいで良縁に恵まれないとは・・・』と少し哀れに思っていた。
しかし柱合会議で初めてお前を見た時、力の事など一切気に留めず凛としている姿を声で感じ取り、心が揺れた。
そして私に対してお前が怒りを露にした時・・・『ああ、自分は何をしていたのだろう。この娘は自分のことや兄の事で誰かを怨んだり、妬んだりなどしていなかったのに』とな、柱相手とはいえあそこまで言い切ったお前に正直私はやられたよ。
そして遊廓での優雅なお前を見た時、私の中の男としての性がお前を独占したいと感じたのだ」
「っ?っ?」
彼女が困惑しているのには息遣いでわかった、行冥はクスクス笑う。
「お前は私にとって最良の女性だ、正直盲目の私には勿体ないぐらいだ・・・だがそれでも私はお前がいい」
「つ、つまり・・・」
「私もお前に惚れている」
「・・・・ふっ、ふふふふふ」
今度は琴乃が笑う番だった、何て不器用な人なのだろう。
鬼殺隊では『最強』と呼ばれて誰にとっても頼りになる存在、大きな存在なのに――・・・。
「不器用な人・・・」
「そうだな・・・、こんな私は嫌か?」
「いいえ」
琴乃は行冥の頬を優しく撫でて口づけをしていた。
〈そんなあなたを私は愛したのですよ、悲鳴嶼様・・・いえ、行冥様〉
彼女の口づけを答えと受け取った行冥もまた琴乃の体を抱き上げて寝所に向かった、そして二人は翌朝まで隊士たちの前に姿を見せることはなかった。
おまけ
「ったく、悲鳴嶼さんもようやくか」
二人が寝所に行く姿を見て死角に隠れた弦弥。
〈アカリも時透様の所に行くつってたし、霧香は煉獄さんのところだろうな。アカリは大丈夫そうだったけど悲鳴嶼さんの方はじれったかったんだよな〉
玄弥は悲鳴嶼が琴乃に好意を抱いていることは気づいていた、無限列車の時も遊廓の時も刀鍛冶の里の時も必ず彼女の病室に顔を出していたのだから(特に遊廓は自ら行ってたし)。
〈悲鳴嶼さん、よかったな〉
自分を救ってくれた恩人に大切な人が出来たことを喜ぶのと同時に隊士たちの言い訳を考えなくちゃなと密かに手を回す玄弥であった。
続く