第84話 柱最強の過去
名前変換
この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
詳しくは設定、注意書きをお読みください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「悲鳴嶼様」
「何だ?」
行冥の過去の話を聞き終えた霧香は立ち上がって彼の前に立った。
「私は当時の現場を知りません、なので不快に思われるかもしれませんが言わせてください。
もしかしたら子供たちはあなたを頼りにしなかったわけではないと思います」
「・・・・?」
「子供であるが故に恐ろしい目に遭えば逃げる、それは仰る通りかもしれません。でもこうは考えられませんか?
外に出ようとした子供たちはあなたが『目が視えない』から外にいる誰かに助けを求めに行ったのではないか―――・・・あなたや他の子供たちを助けたいから」
「・・・・」
「もちろん子供たちを庇うことやあなたの考えを否定するわけではありません。
でもあなたや八人の子供たちを代わりに食わせてやると鬼に約束した子供とあなたを本当に慕っていた子供たちは果たして同じだったのか・・・それが少し気になりました。
朝に駆けつける者たちがいてくれたのならば民家も少し先にあったのではないかと思って――・・・子供たちなりにあなたや他の子供たちを救いたいと思って動いたのではないかと思ったのです。
そして沙代という子も・・・錯乱した状態で駆けつけた者から問われたので『あの人が』と曖昧な言葉になってしまったのかとも思いました。
今、その子がどこにいてどう思っているのかはわかりませんが――・・・」
「・・・・・・」
「あなたは確かにその夜に多くのものを失い、傷ついた――・・・でも、もしかしたらあなたの思っているようなことを子供たちは思っていないかもしれません、ですからっ」
「もう良い」
行冥が霧香の頭に手を置いたことで話は打ち切られた。
「ありがとう・・・お前は優しい子だ。
私はこれまで大勢の人間を心の目で見てきた、簡単なことのようだがめげずにひたむきに進んできたお前の心は本物だと私は確信している。
真に強い心を持つ者だ、それはお前や華陽隊の他の二人も含めてほんの少ない者がもつもの・・・どんな状況下であってもそれが証明できるものは少ない。
未来に不安があるのは皆同じだ、道を違えぬようにこれからは私も手助けしよう・・・」
彼はそう言うとわしわしと霧香の頭を優しく撫でた。
「今日までよく頑張った、本当によく成し遂げた」
「・・・・・・っ」
その言葉に急に安心してしまった霧香、涙腺が緩み、涙が溢れてしまう。
すると彼女の両肩に重みを感じた、琴乃とアカリが手を添えてくれている。
「つっ・・・うあああ・・・ああああっ・・・・」
霧香は泣いた、二人に向き直って抱きついて思いきり泣いた。
おそらくこの先、鬼舞辻を倒し、戦いを終わらせるまで泣くことは許されないだろう。その分、今存分に泣くことにしたのだ。
過酷な最終決戦の開幕まであともう少しなのだから。
続く