第80話 柱稽古・その3 甘露寺蜜璃
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「よし、千寿郎くん・・・『中』に入ろう」
「はい・・・」
『スー・・・』と二人で鼻で呼吸したかと思うと『フー・・・』と長く息を吐いた。
〈え?『中』?中って何!?何の事?〉
他の隊士の様子を見ていた蜜璃だが二人の会話に聞き耳を立てていて思わず振り返った。
「今日も気持ちいいね・・・」
「はい・・・・」
「よーし・・・じゃあ、膝を立てて右に倒そう」
それは先ほど寝ながらやっていた膝曲げ倒し、今度は上半身を起こしたままやっている。
「右・・・左・・・右・・・左・・・」
「・・・・・・」
千寿郎も同じ感覚でやっていく、そして鼻で吸って、口で吐くと片足を伸ばしてもう片足を曲げて片足の上に置き、前屈をし始めた。もちろん呼吸は忘れずに・・・・。
〈すごい・・・海野家ではああいう風に教えてるのね、霧香の動きを見た時に結構無理な体勢でも平気そうって思ってたけど、しっかり教わってるんだわ〉
二人の準備運動(?)に感激している蜜璃、そして少しして二人の動きが止まった。
「千寿郎くん、戻るよ、柱をお待たせするわけにはいかないからね」
「はい・・・」
二人はもう一度、鼻で吸い、口で吐くとフッと立ち上がった。
「お待たせしました、甘露寺様。もう大丈夫です」
「あら、もういいの?じゃあ開脚体操にいきましょうか!」
「はい」
「でも驚いたわ!」
「何がですか?」
「さっきの二人の体操!海野家でしっかり教わってるのね!見ていて感心しちゃった!」
ハートを飛ばしながら『よしよし』をする蜜璃。
「ありがとうございます、でも先ほどのはほんの序盤です。本格的になったらもっと痛いんですよ?」
「あら?そうなの?」
「はい、それはもう・・・ね?千寿郎くん」
「はい・・・(苦笑)」
いまだに『ひーひー』言っている隊士たちを見てかつての自分を各々思い出している霧香と千寿郎。
「ところで霧香ちゃん」
「はい、何でしょう?」
「『中』って何の事?さっき千寿郎くんに言ってたでしょ?」
「ああ、解放的な空間に自分を置くという意味合いです、それを私たちの家では『中』と言ってるんですよ」
「ああ!なるほどね!それじゃあ始めましょうか!」
二人はそれから開脚をしての柔軟体操が始まった、前屈はもちろんのこと、上半身を(左右の)横に倒す、捻る、脚のつま先を掴むなど蜜璃の指示に合わせて行っていった。終いには・・・。
「甘露寺様って本当に関節が柔らかいんですね、ここまでスイッと開けるなんて羨ましい」
「え~?そうかな?////霧香ちゃんだって開けてるじゃな~い!////」
「いえいえ、私の場合、海野家の最低限の体の柔軟性を持つのに二年かかったんですよ!元々は体が固くて・・・・この年齢(十七歳)で甘露寺様と同じくらい足が広げられるようになったんです!」
「ええ~~っ!そうなの!?」
〈二人とも楽しそうだな~〉
ついには甘露寺と開脚前屈をしながら会話しているときたもんだ、しかも横には同じ体勢で千寿郎も見守っている。
それを見て体の固い隊士たちは天元や無一郎の稽古場にいた隊士たちと同じように顔面蒼白で驚愕の表情だった。
こうして蜜璃の稽古も合格して次の柱稽古に向かう霧香と千寿郎だった。
続く