第80話 柱稽古・その3 甘露寺蜜璃
名前変換
この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
詳しくは設定、注意書きをお読みください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
蜜璃の稽古は体のほぐし、柔軟体操だ。
「は~い!じゃあまずは寝そべって~!」
ゴロン・・・
「両膝を曲げて左右に倒して~!」
パタンパタン・・・パタンパタン・・・
「は~い!そしたらまた足を伸ばして~、右足を垂直に上げて~」
ス~イ・・・
「うんうん、そしたら自分の方に倒す!」
スーイ・・・ペタンーー
「すっごいわ!霧香ちゃん!!体柔らかいのねっ~!!!」
パチパチと拍手をしている傍ら『うがががっ』や『ひいいっ』と呻いている他の隊士たち。
「千寿郎くんもすごいわ!ペタンとはいかなくてもそこまで近づくんだもの!」
「はい、椛様のおかげです」
千寿郎の体も前に比べればだいぶ関節や筋肉が柔らかくなったと思う、これも椛の直伝の賜物だ。
「じゃあ二人とも反対も同じようにしてみて」
フッ(足を下ろし)・・・スイ(左足を上げ)・・・スーイ、ペタン(倒す)。
「すごいわ~!!」
「いぎぎ・・・何で、あんな簡単にできるんだ?」
「しかも全然っ・・・痛そうじゃないっ・・・」
「じゃあ次の段階行こうか!うつ伏せになって後ろから両足を持って!」
ゴロン(うつ伏せ)・・・(足を少し開き)スッ・・・クイ(外側から各足先を持つ)・・・
「完璧!ちゃ~んと輪っかになってるわ!!」
蜜璃は喜んでいるが後ろの隊士たちは軽くこなす二人に『マジか!?』の顔になっている。
「じゃあ開脚体操にいきましょうか!」
「はい、ただ甘露寺様、少し関節を緩めてもよろしいでしょうか?」
「はっ!そうよね!立て続けにしたら痛くなっちゃうものね!もちろんいいわよ!」
「ありがとうございます、じゃあ千寿郎くん、いつものやろうか。海野家の柔軟体操」
「はい!」
二人はその場に胡坐をかく、しかし足の裏同士をくっつけている。
「千寿郎くん、姉さんから体をほぐす時に何が大切か?教えてもらった?」
「はい、『呼吸』です」
「そう、どんな動きにも必要になってくるものだけど繊細な動き、今みたいに自分の内側にある繊細な部分をほぐす時にも大切なのが『呼吸』。
ただこの呼吸は剣技の『呼吸』とはまた別もの・・・」
曲げた足をそのままパタパタさせながら足の股関節あたりを緩ませる霧香と千寿郎。
「体が求める吸い方をする、自分の体を呼び覚ます吸い方・・・・」
「はい・・・自分たちの心身を覚醒させるため、でも力は入れない」
「そう・・・」
海野家で体をほぐす稽古をするときに千寿郎が言われたのがまず『呼吸を忘れてはならないこと』、そして『心身を開放すること』だ。
『解(ほぐ)す』ということは体の感覚を全て失くすことだと彼女は言った、何にも感じず、自然に呼吸をすること・・・・。
初めて言われた時、千寿郎には何だかわからなかった。
そこで椛が出してくれた例えが『睡眠』だ、寝入った後、何かを意識しているのかと聞かれれば否だ。
布団に入り、眠り、起きる・・・それは当然のようにしていたがそうではない、体を休めている間、何を考えることがあるだろうか、何もない、寝息をたてて横になっている。寝ている間は体が体が解放的になってるので寝相が悪かったり変な態勢で寝ている時もあるというだけなのだ。
『柔軟体操も似たようなものよ、解放的な心身で呼吸をして体の内部を解していく。
あえて違うところを挙げれば・・・自分の体に自分の心を合わせるところかな?』
人間の行動は脳で考えられたものが神経を通り体に伝達されて動く、だが今度は体の声を自分で聞くということだ。