第8話 迷い子
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「よく頑張ったね、さあ、傷を診せて」
「あ、あの・・・・」
「私は海野霧香、この子は竈門炭治郎、この屋敷にいる鬼を倒すためにきたの。
その前に君の弟と妹に会ってね、君を助けに来たんだよ」
清は安心してへなへなと脱力したようだ。
「さあ、薬を塗ろう!独りでよく頑張ったな!」
炭治郎が懐から塗り薬を取り出す。
「うっ・・・うっ・・・」
鬼の巣窟で相当緊張していたのだろう、清は涙をボロボロ流している。
「この薬はすごいんだぞ、俺たちの師匠(せんせい)がくれたものだ!」
「お兄ちゃんたちの師匠?」
「そう!俺たちの師匠は天狗のお面を被ってるんだ」
「天狗?ホント?」
「うん、本当だよ。とても強くて、とても優しい人だよ」
「うん、信じる!お兄ちゃんもお姉ちゃんもすごく強いし、優しいもん!」
てる子が笑った。
「よし、できた!時期に痛みも引いてくるよ」
「うん・・・」
炭治郎と霧香はそこで清から攫われてから今日に至るまでのことを聞いた。
どうやら鼓の鬼にここに連れてこられてから血の匂いを嗅ぎつけた他の鬼たちが集まってきて口論になったらしい。
そして鼓の鬼が他の鬼によって鼓を一つ落としたので必死に拾い、叩いて空間移動して助かったようだ。
「そうか、あの鼓の鬼は『稀血』と清くんのことを呼んでいたんだね」
「うん・・・」
「カア―――ッ!!稀血トハ!!珍シキ血ノ持チ主デアル!!」
「うわっ・・・」
「きゃあっ・・・」
鎹鴉が喋り出したので驚いている兄妹。
「グハハハハッ!ガキ共!!ツツキ回スゾ!!」
「やめなさい、松衛門」
松衛門や牡丹の話では『生き物には種類系統があり、中でも稀血を持つ人間は数が少なく一人喰うことで通常の人間を五十人から百人ほどの喰ったのと同じ栄養を鬼は得ることになるのだ』という。
「なるほどね、鬼が取り合うわけだ」
「そうですね」
クン・・・
匂いがする、あの鼓の鬼だ。
「霧香さん」
「うん」
日輪刀を抜く二人。
「清、てる子、良く聞くんだ。今から俺と霧香さんはこの部屋を出る」
「「えっ?」」
「大丈夫、落ち着いて・・・鬼を倒しに行ってくる。
いいか、てる子・・・清兄ちゃんは今、とても疲れてるからてる子が助けてあげるんだぞ」
「・・・・うん」
「俺たちが部屋を出たら鼓を叩いて移動しろ、その後も誰かが戸を開けようとしたり、物音が聞こえたら間髪入れずに鼓を打って逃げるんだ」
「う、うん・・・」
「でも、俺たちが移動したら炭治郎さんと霧香さんは・・・?」
「私たちは五感が鋭いから大丈夫、終わったら迎えに行くよ。
それまで兄妹で協力してもう少しだけ頑張る事、できるね?」
「うんっ・・・!」
「はいっ・・・!」
「二人ともいい子だ(ニコッ!)」
ギシッ・・・ギシッ・・・
「・・・・」
「じゃあ、行ってくるからね」
二人は部屋を出て襖を閉めた。
「虫けらが・・忌々しい・・忌々しい・・・」
「てる子、叩いて!」
ポンッ!</span>
鼓の音を一つ鳴らして兄妹の姿は消えた。
ポンッ!ポポンッ!
ぐるんっ、ぐるんっ――・・・
ポン!カンッ!
ぐわん・・ぐわん・・・
「「!」」
鬼が鼓を鳴らすと部屋がまた回転する。
〈本当だ、霧香さんが言ったように右鼓は右回転、左鼓は左回転・・・〉
ぐわんっ!
〈右腰は前回転、左腰は後ろ回転・・・〉
ポンッ!
〈腹の鼓は・・・〉
ギャンッ!
畳に爪痕が残る。