第79話 柱稽古・その2 時透無一郎
名前変換
この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
詳しくは設定、注意書きをお読みください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いいね、琴乃さん!体術と武器を上手く掛け合わせた戦い方、体勢を崩しても立て直しが速い、芯がブレにくい証拠だよ!」
「お褒め戴いて光栄ですわ、ではもうひと技お見せ致しましょう!」
ヌンチャクを伸ばしたかと思えば一本の鉄棒になる。
「!」
「言いましたでしょう?私の武器は『変則的』なのが特徴だと!
鋼の呼吸・漆の型――・・・『白銀光世(しろがねみつよ)』!!」
鉄棒の回転技が無一郎に向かってくる、もちろん無一郎は持ち前の瞬発力で避けるわけだが――・・・。
「・・・・」
「!」
足場にしようと思った鉄棒の関節が分裂した。
〈しまっ――!〉
「時透様!」
「無一郎ッ!!」
「鋼の呼吸・玖の型――・・・『満月(まんげつ)』!」
足場を失って空中から落下している上から鉄棒が降り下りてくる。
ズウウウゥゥンッ!!
「きゃああああ!!!」
「柱!!」
「あいつ、やっちまったのか!!」
琴乃の技は軽い地震のように周囲を揺るがした。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
周囲が静まる中、銀子だけが騒ぎ出す。
「無一郎ッ!!無一郎~~ッ!!チョット!アンタ!アンタノ馬鹿主ガ無一郎ヲ殺シチャッタジャナイノヨ!!ドウシテクレンノヨ!!
アンタトソノ主ナンカ処刑サレレバイインダワ!!ソウヨ、イマスグニ報告シテ処刑ニシテモラウワ!!」
「ギャアギャアうるさい!!」
「ハアア!?何ナノヨ!アンタ見エナカッタワケ!?無一郎ハッ・・・!!」
「あなたこそよく見なさい、琴乃はそんな馬鹿なことをする子じゃない」
土煙が引いていくと二人の影が薄っすら見えてくる。
「・・・・・」
無一郎は倒れている、確かに・・・しかし、ちゃんと生きている。
そして彼の体の数センチ横に鉄棒がめり込んでいる。
「うふふ、私の新技です。お気に召しましたかしら?時透様」
「・・・・っ、あははは、あはははははっ!!」
頭上からにっこりと言われてつられて笑ってしまう無一郎。
「はははははっ!!凄いね、琴乃さん!数寸先とはいえ体に衝撃がビリビリ感じちゃった!こんなにひっ迫した戦い、先輩の柱の皆さん以外に感じられるなんて嬉しいよ!」
「いいえ、こちらこそ調子にのってやり過ぎてしまいました。どうかご容赦ください」
そのまま片腕で無一郎を抱き起す琴乃。
「本当に『凄い』に尽きるよ、どうして今まであなたみたいな剣士が来なかったのか不思議なくらいだよ」
「ありがとうございます」
「こちらこそ、稽古をしてくれてありがとう。たぶん琴乃さんは自分の太刀筋や改善するところは分かっているみたいだから僕の方から言うことはほぼないよ」
「あらあら、よろしいんですか?」
「うん、だってさっきの稽古で十分見させて貰ったもん」
無一郎はクルリと方向を変えた。
「さて次に行こう、アカリ!次は君だよ、昨日の続きだ!」
顔がイキイキとしている無一郎。
「今日は負けたら一つだけ言う事聞いてもらうからね」
「はあ!?」
「昨日は来たばかりだから加減したけど今日はそうはいかないよ、それに君は僕と同じくらい速いんだ、勝負にはもってこいでしょ?」
〈いや、そもそもこれは稽古であって競い合いでは・・・〉
霧香がそう思って止めようとしたのも束の間・・・。
「いいわよ!やってやろうじゃない!!」
「「え?」」
霧香だけでなく隣りにいた千寿郎も吃驚である。
「『手加減した』なんて本人の口からきいて黙っていられるわけがないでしょうが!!上等よ!!
負けたら言うこと一つ聞く?やってやろうじゃない!!もしあなたが負けたら前から欲しかった簪、買わせてやるんだから!!」
「うん、いいよ」
ズゴッ!?
肩を怒らせて物欲丸出しのアカリに対してすんなり了承している無一郎、この凸凹(?)ちぐはぐ(?)コンビに一気に脱力してしまう霧香であった。
そして結果は――――いいところまでいったもの、アカリが負けた。