第79話 柱稽古・その2 時透無一郎
名前変換
この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
詳しくは設定、注意書きをお読みください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
~女湯の時間~
「はあ~!」
「疲れが取れるわ~!」
「ふう・・・」
すっきりしている華陽隊とは変わり、体をプルプル震わせている女隊士たち。
「あら?どうしたの?あなたたち」
『しみる~~~~~ッ!!!』
どうやら無一郎に打たれた所が湯につかったのが痛かったようだ。
「あらあら」
「情けないわね、それぐらいの痛みなんか我慢しなさいよ」
「そうは言いつつも・・・アカリも脇の擦り傷、沁みてるんでしょ?」
ツンツンと軽く小突かれてビクッとするアカリ、目が若干涙目である。
「う、うるさいわね!きょ、今日は・・・ここにきたばかりで、ちょ、ちょっと無理しただけよっ・・・」
「(痛いんだね・・・アカリ・・・)」
痛くても憎まれ口を叩く元気はあるようだ。
「そんなことより琴乃!あんたは何で打ち合わなかったのよ!」
「仕方ないじゃない、時間一杯になっちゃったんだから~。それにあなたと霧香が順番無視して先に打ち合ったんだもの、私まで図々しくなんてできないわよ」
「千寿郎くんも受けてたから大丈夫だと思うけど・・・」
「彼は時透様が自ら指名して打っていたでしょ、あれは数えない~。まあ、明日は一番手で相手をしていただくわ。そのための武器もちゃんと用意したんだから」
「武器?」
「明日までのお楽しみよ~!」
風呂を堪能した華陽隊は上がった後の軽い柔軟をこなして休息に入るのだった。
そして琴乃の言っていた次の日の稽古――・・・彼女はどうしてか庭で稽古をしたいと言い出した。
「本日は勝手ながらお庭をお借りいたします、一番手は私からお願いします、時透様」
「琴乃さんだね、いいよ」
「では・・・」
そう言って彼女は腰からあるものを抜く。
「あ、あれは・・・!」
琴乃が木刀を使わないことに困惑する隊士たち、彼女が抜いたのは何と鉄製のヌンチャクだ。
「珍しい武器だね」
「ヌンチャクですわ、名前くらいはお聞きになったことがおありですよね?」
「うん、でも見るのは初めてだ。君は棍棒を武器としていたから今回はそれに近いものを使ってくるのかと思ってたよ」
「時透様、それは少し誤解なさっていますわ。
私の日輪刀は棍棒でもあり鞭でもあり、槍でもある。つまりは『仕込み武器』です、あるところをいじれば槍にもなり、あるところを引けば鎖武器となる、私の武器は『変則的』なのが持ち味なのです」
ヌンチャクを構える琴乃、そして――・・・・。
「鋼の呼吸・伍の型――・・・『鎖数珠(くさりじゅず)』」
ボゴオオオォォンッ!!
「つっ」
避けた後、ヌンチャクの派手な音がした。よく見れば無一郎がいた場所が凹んでいる。
「凄い力だね」
「私が特異体質の『剛力』の持ち主であることはご存知であるかと思います、道場を穴だらけにするのは少々心が痛みますので庭先を拝借させていただきました」
「構わないよ、君の戦いぶりは甘露寺さんや宇随さんから聞いていたからね。でもここまで地面が抉れるとは思ってなかった、受けた鬼たちは相当痛かっただろうね」
「ええ、なんせ私の日輪刀は他の方とは違い鉄の配分が多いです。通常の武器は私のこの力で簡単に折れてしまうので」
「そうなんだ、その頑丈な武器をお兄さんが造ってくれているんだね」
「はい、私の命に尽くす刀を兄が試行錯誤して作り上げてくれました。ですから私もその兄の心に負けない様に精進していこうと決めたのです」
「うん、すごくいいことだと思うよ」
今度は無一郎から攻撃する。
「・・・・・」
千寿郎はそこであることに気付いた、琴乃の戦い方だ。
一見、剣士として戦っている琴乃だが、その基本となっているのは『体術』だ。組討技というのだろうか、とにかく武器を使って相手を仕留めるのは最終手段、ほとんど拳、脚技で攻撃している。防御をする、無一郎の木刀を弾いたり、狙う時のみヌンチャクを使っている。
これが鬼ならば容赦なくヌンチャクを叩き込んでいるのだろうが、そこは加減しているのだろう。それでもあそこまで柱についていけているのは凄い事ではないか。