第79話 柱稽古・その2 時透無一郎
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「三日ナンテ馬鹿ナノ!!アンタタチ!!」
「「「?」」」
見上げれば道場の外の木の枝に無一郎の鎹鴉の銀子が留まっていた。
「無一郎ハソンナニ甘クナイワヨ!!ソレナノニ『三日』ナンテ期限ツケチャッテサ!!
アーンタタチミタイナ『チビ』ト『ノッポ』ト『コシヌケ』ナンテ無一郎ニスグヤラレチャウンダカラネ!!」
言いたい放題である、しかしその銀子の口を封じるものが現れる。
「「「・・・・・」」」
「!?」
華陽隊の鎹鴉たち、牡丹(霧香の)、美鈴(琴乃の)、揚羽(アカリの)である。
「ナ、ナンナノヨッ!?アンタタチ!!」
「「「・・・・・・」」」
三羽に囲まれて慌てふためく銀子、何故なら三羽からはどことなく圧が伝わってきているからだ。
「アナタガ主ヲ認メテイルコトハ分カリマス」
牡丹が話し始めた。
「『期限ヲツケラレタ』ト解釈サレテモ仕方ノナイコトダトモ思イマスガ―――」
「ソ、ソウヨ!生意気ナノヨ!下ッ端ノクセニ!!」
「ダカラトイッテ私ドモの主ヲ貶スノハ許セマセン」
「霞柱様ハ確カニ才能ニ恵マレタ方デス」
「デモアカリ様タチ華陽隊ノ方々も立派ニ才能ヲ花開カセテイル、ソレヲ『生意気』ダノ『馬鹿』ダノ言ワレル筋合イハナイワ」
『ゴゴゴゴゴゴッ・・・』と目が据わって圧を放っている三羽を感じている銀子、ジリジリと後退りしている。
「美鈴、それくらいにしてあげなさい」
「琴乃サマ・・・」
「大丈夫よ、銀子ちゃんのお言葉裏切ってあげるから。ね~?アカリ?」
「当たり前よ、鴉ごときに測れる私たちじゃないわ」
「カ、カカカ鴉ゴトキデスッテ~~ッ!!!」
庭からギャアギャア言っている銀子を余所に無一郎と打ち合っている霧香。
〈霧香の呼吸・・・速い技と緩やかな技がある、それに速さに緩急がつけられるのがいい〉
カンカンと自分の攻撃をしっかり受けている霧香に感心している無一郎、技の速さについては自分としても早い方だと思う、それを木刀で受けて、受け切れなければ体を撓らせて避けている。
彼女は剣術だけではない身体能力が高いのだ、おそらく海野家で鍛えられたのと狭霧山で鱗滝に鍛えられた賜物だろう。
柔軟性もさることながら反射神経、空間把握能力も高い。
〈これは僕が稽古をつけても早々に離れるかもしれないね〉
『剣の天才』、刀を持って二月で柱になった自分はそう呼ばれたが真の天才とは違うのかもしれない。
『自分は剣術に関しては才能に恵まれていた』というだけであって『天才』と言えるのはその才能を表に感じさせず、しかしそれを鼻にかけることもなく、突き放すこともない。人の輪を大切にし、己の力を他の人のために使える人、その人の方が『天才』なのかもしれない。