第78話 柱稽古・その1 宇随天元
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「雪の呼吸・捌の型――・・・・『乱れ霰(みだれあられ)』!!」
「光の呼吸・漆の型――・・・・『光速一閃(こうそくいっせん)』!!」
回転するごとに速さを増す攻撃と速さを極めた脚力を生かした連続攻撃が天元を追いつめていく。
「「琴乃!!」」
「つっ!!」
「―――!!」
ゴオオオォォンッ!!
周りに土煙が立つ。
「逃したわね」
「ああ――・・・だが!」
「!」
「いい一撃だったぜ!!」
躱した天元が竹刀を琴乃の顔目掛けて打ち込もうとした。
「炎の呼吸・壱の型――・・・『不知火(しらぬい)』!!」
天元の側面から千寿郎が一閃を撃ち込んだ。
「・・・・・くっ、くくく・・・ははははっ!!いいぜ、煉獄千寿郎!!」
天元の頬には薄くであるが傷ができている。
「皆さんは撃たせません!」
「千寿郎くん・・・」
『うおおおおあああぁぁぁっ!!』
すると隊士たちが一斉に天元に攻撃し始める。
「俺たちは鬼殺隊だ!!」
「守られてばかりなんてかっこつかねぇ!!」
「皆さん・・・」
「私たちもよ!」
「「「!?」」」
華陽隊の前に稽古に参加していた女性隊士たちが駆け寄る。
「力はあなたたちに及ばない!でも『支え』にはなれる!」
木刀を抜く彼女たち。
「援護するわ!男たちにばかり任せちゃダメよ!!」
「ええ!!」
鬼殺隊では『男』や『女』の区別はない、隊士は戦闘力を持った一人の人間、武士だ。
「フッ・・・いい感じになってきたな、お前ら全員良い顔してるぜ!!」
――――――――――――――
「上出来・・・とは言わないが下の下ということもない、華陽隊と千寿郎と一緒に俺と戦ってその『屁っ放り腰』が治っただけでも十分だ。
ここじゃあ男も女も関係ねー、これからもビシビシいくから上に昇っていけ、わかったな?」
『はい!』
陽の出前、天元によっての実践は終わった。
隊士たちの体はボロボロだ、だがその顔は清々しいほど晴れやかだった。やられて悔しい気持ちもあるだろうがだがそれ以上に得た物の方が大きかったようだ。
「ありがとうよ」
隊士たちに休むように告げると天元が華陽隊と千寿郎に礼を言った。
「あいつらのへなちょこ振りには辟易していたんだが、お前らのおかげでなんとかなりそうだ。
事実、今回の夜戦であいつらは底時からを見せてきやがった。これからの鍛え方に対しての気持ちも変わるだろう」
天元は四人の頭をそれぞれ軽く手を置いた。
「俺は決戦には行けねぇ、だから頼むぜ」
天元の顔が影った、本当は行きたいのだろう。
恩人のため宿敵を討つ戦いに参加したい、だが今の自分では足手まといになる。
〈宇随様・・・〉
四人も天元の瞳の揺らぎに気付いた。
「お任せください、宇随様」
「私たちが必ず残りの上弦を倒します」
「同じく鬼舞辻も」
「そして千年続いた大戦に終止符を打ちます、必ず」
その数刻後、陽光を浴びながら四人は次の稽古の場・時透邸に走るのだった。
続く