第8話 迷い子
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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突然、乱入して来た猪の被り物した男(?)、日輪刀を持っている。
「さァ、化け物!屍を晒して俺がより強くなるため、より高く行くための踏み台となれェ!!」
「腹立たしい・・・腹立たしい・・・」
男の登場に鼓の鬼は眉を顰め、また鼓を打った。
ぐわんっ!
「くっ・・・!」
てる子を抱えて、家具に掴まって何とか体勢を崩さずに済んだ霧香。
「炭治郎!」
「え?うわっ!!」
どうやら猪男に踏み台にされることを知らせるつもりで言ったようだ。
「そいつは異能の鬼だ!!無理矢理に斬りかかるのはよせ!!」
炭治郎は叫ぶが猪男は耳を貸さない。
「腹立たしい・・・小生の家で騒ぐ虫共め、消えろ・・・消えろ消えろ!!死ね、虫め!!」
ギャン!
「危ない!」
「「!!」」
猪男と炭治郎の間に大きい爪痕が残される。
「アハハハ!!部屋がぐるぐる回るし、この強さ!いいね!いいね!」
「楽しんでる場合か!また来る!」
「「!」」
ポンッ!ポン!
ギャンッ!ギャンッ!
爪痕を避けつつ、攻撃の隙を探す三人。
「虫共め・・・、虫共め・・・」
ポポンッ!!!
「「!?」」
場所が変わった。
「霧香さん、場所が・・・」
「うん、でもあの鬼は鼓は打ってない。音色も遠くから聞こえた・・・どうやらあの鼓を他にも使っている者がいるみたい」
てる子を下ろして一息つく霧香。
「とりあえず、てる子のお兄ちゃんを探そう。下のお兄ちゃんは善逸くんやアカリたちといるから大丈夫だよ」
「またあの鼓の鬼に遭遇したらどうしますか?」
「大丈夫、何とかあの鼓鬼の血鬼術の仕組みがわかってきたから」
「本当ですか?」
「打つ鼓の場所と部屋の回転の仕方、そして爪の攻撃、良く観察すれば分かるよ。
右の鼓は右回転、左の鼓は左回転、右腰は前回転、左腰は後ろ回転、腹の鼓は爪の攻撃・・・おそらくこの順番だよ」
〈すごい・・・あの短い時間でてる子を守りながらここまで観察をするなんて〉
「さあ、行こ・・・お兄ちゃんが待ってるよ」
「うん」
「炭治郎、私は先導するから君は後ろから来て」
「はい」
「てる子は私と手を繋いで行こう」
「うん!」
障子を軽く開けるとてる子の右手を握って部屋から出る霧香、そして後ろをついて行く炭治郎。
しかし炭治郎はあるものを見つけてしまった、外で見た血まみれの人とは別の人間が喰い散らかされているのを・・・。
〈あれは・・・、霧香さんっ〉
彼女は敢えててる子の右手を握って行ったのだ、あの死体が見えない様に背中で隠しながら・・・。
「こんな状況で・・・俺も、もっとしっかりしないと」
炭治郎は急いで二人の後を追った。
「炭治郎、この先に人間の息遣いがある、軽傷なのか一定間安心してる」
「俺も感じます、でも独特の血の匂いです」
「・・・・てる子を」
「はい」
スパンッ!
霧香が襖を勢いよく開けると・・・。
「つっ!!」
「あーっ!!待って待って!!」
中にいた少年に向かって手で制す霧香。
「大丈夫だよ、私たちは人間だ・・・君を探していたんだよ、君の弟や妹に頼まれてね」
「!」
少年は鼓を持つ手を緩める。
「てる子、君の探してた『兄ちゃん』はあの子かな?」
てる子が襖の陰から顔を覗かせる。
「つっ!清兄ちゃん!」
「てる子!」
兄妹はお互いをきつく抱き締め合った。
それを見て炭治郎や霧香は一安心だ。