第78話 柱稽古・その1 宇随天元
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「お前か?煉獄の弟ってのは」
「は、はい!煉獄千寿郎です!!」
シュッと姿勢を正す千寿郎。
「おお~~!!話には聞いていたが丸写しだな!ハハハハッ!!」
「!?」
宇随に撫でられて少しふら付いている千寿郎。
「復帰試験を突破したことは聞いたぜ、その実力、この稽古でじっくり見せてもらうからな」
「っ・・・はいっ!!」
こうして華陽隊と煉獄千寿郎が稽古に加わった。
―――――――――――――――――――
「ヒイイイ~~ッ!!」
「ウワアアァァッ!!」
「「「・・・・・」」」
「っ・・・っ・・・」
他の隊士たちが悲鳴を上げる中、華陽隊の三人は平然と走っている。千寿郎は息を整えつつ隊士たちを追い抜いていく。
「な、何であの四人っ・・・!」
「平然と走ってんだよっ・・・!」
「しかも俺らっ・・・!」
「何回追い抜かれてんだよ~~~っ!!」
そう、道着に着替えた華陽隊三人と隊服の上だけ脱いだ千寿郎は稽古に参加。
山道を十数回の走り込み、その後、腹筋、背筋、腕立て伏せなどを行った後、再び走り込みに戻っていく。
それを先に来た隊士のこなした数を余裕で越えて今、また走り込みの数周目に突入している。
「あ、あれが・・・」
「上弦の鬼に遭遇して勝ち抜いた者の力量だってのかっ・・・」
「俺たちじゃあ追いつけっこねぇよ!!」
「オラオラオラッ!!!」
「「「つっ!?」」」
「休んでんじゃねぇよ!!お前らもさっさと走りやがれ!!!」
『ひええぇぇぇぇ~~~~っ!!』
隊士たちが天元に竹刀を振り回されながらせっつかれている。
「だらしないわね!これじゃ宇随様が怒るのも無理ないわよ!」
「まあまあ、そう手厳しいことを言わないであげなさいよ」
「フン!」
「私たちと経験してきたことが違うのよ、無理もないわ。私だって強敵に出会えたからこその今の自分よ?
でなかったら私も彼らと同じで打ちひしがれてるところよ、それはアカリ、あなたもそうじゃなくて?」
「う・・・」
そう、自分たちは運が良いのか十二鬼月に遭遇し、経験を他の隊士よりも多く積んだからだ。柱たちでも滅多に遭遇しない『鬼の幹部』とも言ってよい者たち。
今の自分があるのは辛く重い経験を乗り越えたからだ、だから胸を張ってここにいる。
「アカリ」
「?」
「私は満足しないよ、いくら他の隊士に羨ましがられようが、柱に褒められようが・・・・あの男を倒すまでは」
「霧香・・・」
彼女の声には今までにない覚悟めいた重みがあった、何かが彼女をそうさせている。
アカリは何も言えなくなったとき、パンパンと手拍子が鳴った。
「ハイハイ、暗い話はそこまでにしましょ~う!早くしないと千寿郎くんに置いていかれるわよ?」
「「!?」」
気づけば遥か向こうに千寿郎の背中が見える、いつの間にか追い抜かれてしまったようだ。
「ほらほ~ら、急ぐわよ~」
二人の背中を押すように追いかける琴乃。
「千寿郎く~ん!待ってちょうだ~い!」
「?」
後ろからやってきた三人に千寿郎も驚いた、どうやら無意識に追い越してしまったことに気付かなかったらしい。こうして四人はまた並んで走り出した。