第76話 前触れ
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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海野家の話を聞いた後、再び柱たちは本部に集結した。しかし今回五大呪術家の三人はいなかった。
今回は柱、鬼殺隊本部としての話し合いだったからである。
「皆様、先日はお集まりいただきありがとうございました。
また時間もままならないにも関わらず、鬼殺隊の本部としての会議にご出席いただきましたこと心より感謝いたします」
当主代理のあまねが深々と頭を下げる、先日海野家の面々と琴乃、アカリを交えた時に目にしたように当主である輝哉はもう起き上がることが難しいほど容態が悪い。
そのため今回もあまねが表に出て来たのだ。
「お館様のこと我々一同、既に承知しております。
一日でも長くその命、灯火燃やしてくださることを祈り申し上げます・・・あまね様もお心強く持たれますよう・・・」
岩柱である悲鳴嶼があまねに労わりの言葉をかける。
「柱の皆様には心より感謝申し上げます」
さっそくあまねは議題に入る。
「既にお聞き及びとは思いますが陽の光を克服した鬼が現れた以上、鬼舞辻無惨は目の色を変えてそれを狙ってくるでしょう――・・・己も太陽を克服するために。
大規模な総力戦が近付いております、そこで恋柱様と霞柱様にお伺いいたします。
お二人は先の刀鍛冶の里で上弦の鬼『肆』と『伍』と戦い、体に独特な紋様の痣が発現したという報告が上がっております。お二人には痣の発現条件を御教示願いたく存じます」
『痣』、それは先日の海野家や華陽隊の二人を交えた話し合いでも出た言葉だ。
「先日、海野家や華陽隊のお二人を交えた際にもお聞きしたことですが――・・・『痣』というのは戦国時代、鬼舞辻無惨をあと一歩まで追いつめた『始まりの呼吸の剣士』たちに発言していた鬼の紋様と同じものでございます」
「奥方様」
そこへ不死川が問う。
「俺は『痣』の存在については初めてお聞きします、何故知り得るものと知らぬ者がいるのですか?」
「『痣』が発現した者・・・『痣者』のことは伏せていたからです。
『痣』は条件を満たさない限り、浮き出てくるものではありません。それ故に発現しないため思い詰めてしまう方が随分いらっしゃいました。
そして『痣』については伝承が曖昧なことが多く、当時あまり重要視されなかったこととこれまで鬼殺隊が壊滅されかけたこともあり、継承が途切れてしまったことも理由として挙げられます。
ただ一つ、はっきりと伝え残されていることがあります。
『痣の者が一人現れると共鳴するように周りの者たちにも痣が現れる』と――・・・」
その言葉に柱の面々はあることを思い出す。
「始まりの呼吸の剣士の一人の書記のそのような文言が記されておりました、そして今、この時代で最初に『痣』が発現した方は柱の階級ではありません。
鬼殺隊隊士・竈門炭治郎様、彼を初めとして任務を共にされていた華陽隊の方々にも『痣』が発現しました。
始め、竈門様から『痣』の詳細をお聞きしたのですが本人にもはっきりとは発現条件がわからなかったようです。
次に発現した海野霧香様に話をお聞きした所、体温の発熱と心拍数の上昇などが関係していると仰っていました。
しかし華陽隊の方々は同時に『妖』の血の覚醒もされていましたのでこれから現れる『痣』の発現者の条件には当てはまらないかもしれないとも言われていたのでまだ保留にしていたのですがこの度、甘露寺様と時透様が発現されたとのこと・・・。
お二人は竈門様以来、妖の血とは関係なく発現された方々です。どうかその条件をご教示ください」
「は、はい!!」
名指しをされて少しドキドキしているものの喜ばしい事だ、みんなの役に立てるのだからと蜜璃はできる限り、半天狗(の分身)との戦いを思い出していた。
「えーっと・・・あの時はですね、確か凄く体が軽かったです!!
それで・・・えーっと、えーっと・・・!!こう『ぐあああ~~~っ!!』ってきました!!グッとして『ぐあーっ』って!!心臓とかもバックンバックンしてて耳もキーンってしてて!!メキメキイッて!!」
興奮して話していた蜜璃とは反対に一同ポカーン、不死川に至っては半分怒っているし、伊黒は額に手を置いている。
「・・・・も、申し訳ありません・・・穴があったら入りたいです」
説明の下手さ加減に情けなく俯く蜜璃(炭治郎タイプ)。
「・・・・『痣』というものに自覚はありませんでしたが、あまね様が霧香からお聞きしたことにほぼ近いと思います。
あの時の戦闘を思い返して見た時、思い当たる事・・・いつもと違うことが幾つかありました。
その条件を満たせば、おそらくみんなが『痣』を浮き出すことができます、今からその方法をお伝えします」
「本当ですか?時透様」
「はい・・・あの時、僕は毒を喰らって動けなくなりました。
呼吸を使って血の巡りを抑えて毒が回るのを遅らせようとしましたが、僕を助けようとしてくれた少年が殺されかけ、以前の記憶が戻り、強すぎる怒りで感情の収拾がつかなくなりました。
その時の心拍数は二百を超えていたと思います、そして体が燃えるように熱くなりました。体温の数値は三十九度以上あったはずです」
心拍数が二百を超え、体温が三十九度以上、その数値を聞いただけで医者である胡蝶は『あり得ない』という表情をする。
実際にありえない、人間の平均の脈拍数は六十から百だ、それ以上になると脳梗塞、脳卒中、突然死など血管が切れたり詰まったり、細胞の損傷に影響が出る。さらに体温が三十九度ということはとても立っていることはできないのだ。