間章 新しい家族
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「みんな、お茶が入りましたよ」
「「は~い!!」」
娘たちが杏寿郎の手を引いてやってくる、無一郎も晴哉の息子を抱っこしてやってきた。
みんなで午後のお茶の時間である。
「時透様、柱のお勤めもありますのに・・・動き回ってお体は大丈夫ですか?」
御園が息子に軽いおやつを与えながら言った。
「大丈夫です、それに――・・・僕はここに来るのが楽しみで仕方ないんです」
無一郎の言葉に一同『?』マーク。
「僕はずっと過去のことを忘れていました・・・父さんのことも母さんのことも・・・俺を命がけで救ってくれた兄さんのことも。
気づいたら俺は家族のことも全て忘れていた・・・」
「それは・・・それほどの体験をしてしまったからでしょう、あなたが悪いじゃないわ」
「でも・・・僕はそれから独りになってしまったんです。
お館様や奥方様、柱のみんなや炭治郎がいてくれても僕は心の中ではずっと独りだった」
刀鍛冶の里で上弦の伍である玉壺と戦った時の事を思い出した。
水の牢の中で諦めかけていた自分を助けてくれたのは夜霧だ、霧香を通して彼女を見た。
おそらくあの言葉は彼女が自分の先祖へ言った言葉、それが記憶を遺伝して無一郎の中へ流れてきたのだろう。
そして先日の海野家と鬼殺隊の過去の話、そこで納得がいったのだ。
霧香に自分がどうしてこんなに影響を受けるのか――・・・彼女が妖の血に目覚め、夜霧に近い姿になったというのも一つの理由だろうが、何より彼女が夜霧と内面において近いところがあるからだろう。
「だから、海野家のみなさんと親戚なんだってわかった時、とても嬉しかった。
霧香と遠くても縁があるんだと思うと嬉しいんだ」
霧香ににっこり笑う無一郎。
「そ、そうですか・・・私は、柱の方と遠戚ということで・・・少々恐縮しているんですが・・・」
頭をかいている霧香にズズイと迫る無一郎。
「そんな悲しい事言わないで、僕は家族が戻って来たみたいで嬉しいんだ」
「つっ・・・!!?」
「それに霧香は煉獄さんと婚約してるんでしょ?」
「は、はい・・・」
「僕は兄のように見守ってくれた煉獄さんともこれから家族みたいに過ごせるかと思って喜んでるんだ」
「・・・・・」
ここで霧香は無一郎は『杏寿郎が絡むと炭治郎と同じタイプである』と確信した瞬間だった。
「僕の大切な人たちが結婚するんだ、嬉しくないはずがないよ」
「~~~~っ!!?////」
おまけに『恥ずかしいことも平気で真顔で言ってしまう所も同じである』とも確信した。
「うむ!ありがとう時透!君が過去の事を思い出したことも喜ばしいが俺と霧香のこともそれほどに思ってくれているのは俺も嬉しいぞ!」
杏寿郎もまんざらではない。
「ほほほほ、賑やかになるわね」
「お、お義姉様・・・(汗)」
三人のやり取りを微笑ましく見ている御園、そのやり取りは那津蒔の妻の葉月が帰って来るまで続けられていた。