第7話 光の剣士
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「くそっ、ちょこまかと!」
アカリは手長鬼と戦闘の真っ最中だった。
〈ったく!霧香とははぐれるし、琴乃は別の鬼に連れてかれるし、初任務早々連携もなにもバラバラじゃない!〉
アカリはイライラしていた。
「オイ!いい加減避けてばかりいないでかかってきたらどうなんだ!」
どうやら追い回すのに疲れてきた手長鬼。
「フン!手が早い癖に体力は全然ないのね、鬼が聞いて呆れるわ!」
「何だと・・・人間で、しかもガキのくせに生意気な・・・」
「失礼ね、私はもう十五歳よ!誰がガキよ!」
『確かに身長は小さいけど!』の言葉は敢えて言わないが、アカリは比較的小柄だ。
なのでよく見た目よりも幼く見られてしまうのだ。
「そうかァ・・・十五なのか、なら丁度食べ頃だ」
ニヤニヤしながら喋る手長鬼。
「やれるものならやってみなさいよ!
鬼殺隊、階級・癸にして炎羅門焔家であるこの焔アカリの喰らえると思っているならね!」
「炎羅門・・・お前、五大呪術家の娘か」
「そうよ!」
「炎羅門の鬼狩りか・・・鬼殺隊に入った者は初めて見るな。
『鳳凰』の鬼狩りなら何度か喰ったことはあるがな」
「つっ!?」
「『鳳凰』と同じならばお前も『炎の呼吸』使うのか?」
「ば、馬鹿なこと言わないで!」
顔を真っ赤にしたアカリが叫んだ。
「炎の呼吸は煉獄家のものよ!あの家以外がそれを継承するなんてありえないわ!!」
「ん?では、お前は『炎の呼吸』は使えんのか?」
「私が使うのは『光の呼吸』よ!」
「ひかりィィ~~?そんな曖昧な呼吸など聞いたことがない、まあ、お前のような子供の使う呼吸だ、大したことはないだろう―――・・・」
『ヒヒヒヒッ』と嘲笑してくる手長鬼にアカリは奥歯を噛み締める。
「黙りなさいっ!」
「ああ~~?」
「本当に大したことがないかどうか・・・自分の体で思い知るがいいわ」
アカリは日輪刀の柄を両手で握った。
この呼吸を馬鹿にするもの、貶すものは許さないっ!
だってこの呼吸は―――・・・
――――――――――――――――
八年前―――・・・
アカリの焔家と炎の呼吸を受け継ぐ煉獄家は属性が『炎』ということもあり、交流が深かった。
特に焔家当主の火津地と杏寿郎の父の愼寿郎は酒を酌み交わす仲でもあった。
そのため子供たちも家名を越えて親交を深めていた。
愼寿郎には息子が二人いて上の息子は杏寿郎という、当時は十二歳の少年だった。
炎柱であり、父の愼寿郎から直々に剣術を習っており、鬼殺隊に入ることも視野に入れているといわれていた。
当時七歳だったアカリは杏寿郎に出逢い、初恋をした。
アカリには兄一人と姉が二人いたが、年下が自分だけだったのでより可愛がってくれたのだ。
最初こそ『兄』のようだと思っていたものの、鍛錬の様子や成長と共に容姿が大人になっていく。
感情が『敬愛』から『恋情』なるのに時間はかからなかった。
「杏寿郎様!」
「ん?アカリか!どうした!」
晴れて彼は鬼殺隊に入隊し、日々過酷な任務についている。
いつしか自分も鬼殺隊に入り、この人を助けたいと思っていた。
「私に『炎の呼吸』を教えてください!」
気持ちが日々大きくなっていく中、ついにアカリは杏寿郎に申し出た。
聞けば、杏寿郎が継子を迎えたと聞く。煉獄家以外にも技が継承できるというなら自分が繋ぐと考えていたアカリ。
「む?アカリは剣士になりたいのか?」
「はい!私は鬼殺隊に入って杏寿郎様の助けになりたいのです!」
まだ幼い子供が一人の男性に対してここまで言える事もないだろう。
「うむ!それは頼もしいな!」
「嬉しいですか!?」
「ああ、俺はとても嬉しいぞ!」
喜んでもらえた、好きな人に・・・。
「だが、呼吸を教えることはできない!」
「え?どうしてですか?」
「お前はまだ幼い、まだまだ見聞を広げる機会もある。呼吸は『炎』だけではない、様々な呼吸に触れて自分に合ったものを見つけるんだ」
杏寿郎は『幼い子供に言い聞かせる』ように言った。