第6話 鋼の剣士
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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それから二年が経ち、琴乃は十五歳になった。
笙は鍛冶師と陰陽師の技を磨きながら成長し続け、今や黒鉄家屈指の腕前となっていた。
そんなある日のことだ・・・。
「琴乃、少しいいか?」
笙が夕食を終えた後に部屋に訪ねて来た。
「兄さん、どうしたの?」
「お前に一つ、話があるんだ」
「何?」
いつになく真剣な顔の兄、何か悪い事でもあったのだろうか・・・身構えてしまう琴乃。
「篠熊師匠の元で岩の呼吸を習ってみないか?」
「え?」
「お前は才能があると俺は思う、悲鳴嶼と同じような可能性を感じるんだ」
「それって私に『鬼殺隊の剣士』になれっていうこと?」
「そうだ」
兄は何を言っているのだろうか・・・まさか自分ができなかったことを妹に押し付けようとしているのか?
「言っておくが俺の願望を押し付けているわけじゃないぞ」
「!?」
心を読まれたのかとつい肩を震わせた。
「お前が権現門の陰陽術の修練で落ち込んでいたのは知っている、壊した武器は数え切れない。お前は『剛力』という力を持て余しているのだと俺は思う」
「持て余す?」
「ああ、今まで誕生して来た『剛力』の持ち主は全て男だった。だから鍛冶場でも陰陽術でもその力を活かすことが出来たのだと思う。
だがお前は女だ、鍛冶場で力を振るうこともできず、陰陽術の修練のみで力を制御するというのは難しいように見える」
「!」
「ならばいっそ別の形で自分を鍛えて力を発揮してみないか?
でもこの話を受けるか受けないかの判断はお前に任せる、俺は『自分の成せなかったこと』をお前に背負わせる気はない。
もし、お前が呼吸を会得し、鬼殺隊の剣士になる覚悟があるなら俺がお前の生命を守ってやる」
「『生命を守る』?」
「お前の生命に尽くす刃を俺が鍛える、剣士としての夢は叶わなかった。
だが『五大呪術家の鬼狩りの技と身に尽くす武器を鍛える事』、これが今の俺の夢だ」
――――――――――――――――
私は、その数日後・・・篠熊師匠に弟子入りして『岩の呼吸』を伝授された。
でも師匠自身も私の体質には驚いたようでこう仰っていた。
「琴乃の力は岩をも砕く、鋼でなければ防げんかもしれぬな」
『鋼』・・・そうだ、私は鋼になればいい、この力は攻撃にも守りにもできる。
岩が砕けてしまうならさらに上に行こう・・・。
そして私は五年の歳月をかけて『鋼の呼吸』を生み出し、技を極めた。
そして・・・この日輪刀は―――・・・。
『お前の技と身に尽くす刃だ、必ずお前の力になり、守るぞ』
ジャキン―――・・・
棍棒の先から刃物が飛び出す。
「鋼の呼吸・壱の型――・・・『玉号(ぎょくごう)』!!」
〈消えたッ!?〉
琴乃が踏み込んだと同時に消えた、ところが次の瞬間、生暖かいものが自分の頸から滴る。
「え・・・?」
「お生憎様・・・今度は本当に終わりよ」
「ギャアアアッ!」
壁にめり込んだ割目鬼の頸は琴乃の仕込みの刃の突きを食らい、さらに払いによって刎ねられた。
続く