第73話 海野家の闇
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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自分たちが『日の呼吸の剣士の子孫』だと両親から知らされて驚く霧香たち兄妹。
だがこれにはれっきとした証人がいる、海野家を長年守護してきた使役鬼の津雲、黒椎、紅虎である。
瀬津寿は彼らから話をしてもらうためこの場に呼ぶことの許可を輝哉に求め、輝哉もそれを了承した。
海野家が三百年、一族の中でさえ共有しなかった秘め事を今、明かす時がきたのだ。
「ここが現在の産屋敷家か・・・京にいた頃よりだいぶ変わったな」
そう発したのは津雲だ、彼はまだ平安から鎌倉の時代だった頃、つまり西国にいた頃の産屋敷家のものしか知らない。
関東に拠点を移してからは一度も見たことはなかったのだろう。
津雲の貫禄振りに柱たちは警戒する処か感嘆している。
見た目は異形の者に違いはないものの、津雲からは『邪悪』というか『悪い気』というものが感じられなかったのだ。
「お主たちが現在の柱か」
そして今度は九人の柱の顔を順を追って見ていく。
「時代だな・・・儂が知っている頃の柱とは変わってしまった。
だが・・・受け継ぐ者は継いでいるようだな」
そこでまず見たのは杏寿郎だ。
「そなた、炎柱だな?」
「う、うむ!」
緊張しながらも頷く杏寿郎。
「そうか、炎の呼吸を使う者は三百年経っても変わらぬな」
微笑まし気に言うと次は富岡義勇を見た。
「そなたは・・・水柱か?」
「・・・ああ」
「口数が少ないところが似ておるな」
そして最後に不死川実弥。
「そなたは風柱だな?」
「え?わかるのか?」
「気性が荒そうなのが面に出ておる、三百年前の風柱もそうであった、ハッハッハッ!」
「オヤジさんよ、そろそろ本題に入った方がいいんじゃねーか?」
愉快そうに話している津雲の脇を小突いたのは黒椎だ。
「三百年振りに柱に会ったのが嬉しいのはわかったからよ、そろそろ本題に入ろうぜ。瀬津寿様が困ってるじゃねーか」
見れば『じとーっ』と津雲を見ている瀬津寿がいる。
「ハッハッハッ、いやいやすまんすまん。つい懐かしゅうて話出してしまったわい」
「はあ~、勘弁してくれよ。屋敷でもペラペラ話してんだからこういう場でくらいシャキッとしてくれよ!シャキッと!」
いつもは紅虎に怒られている黒椎が津雲を怒っている、何とも不思議な構図である。
紅虎はというとため息をつきながら『やれやれ』という風に頭を振っている。
「コホン・・・二人ともそれまでにされよ、主が本当にお困りだ」
紅虎の声にようやく落ち着いた。
〈おいおい、何だコイツらは?本当に鬼か?〉
不死川が感じてしまったことは海野家の者以外のこの場にいる誰もが思ったことだろう。
何とも人間臭いやり取り、以前の柱合会議の前の裁判で見た響凱とは違いこの鬼たちは人間が行う軽い喧嘩を普通にしているのだ。
「ハハハッ、これ以上は瀬津寿や家族に申し訳ないのう」
そう言って膝を折って座る津雲。
「使役鬼・津雲、主の呼びかけにより参上仕(つかまつ)った」
「同じく使役鬼・黒椎、参上致した」
「同じく使役鬼・紅虎、参上致しました」
産屋敷の庭に召喚された使役鬼三体、忠節の礼と共に挨拶をした。
「うむ、急に呼び出してすまなかったな。面を上げて良い」
瀬津寿の言葉に三名は顔を上げる。
「ここに呼んだのは他でもない、以前そなたたちに頼んでおいた海野家の秘め事についてだ」
その言葉にわずかに黒椎と紅虎が反応した。
「実は華陽隊の三名が痣者になった」
「「「!」」」
どうやら今知らされたのだろう、三人の視点が華陽隊・・・というより霧香へ向けられる。