第72話 決断
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「安岐様、何故それが問題視されていたのですか?」
「・・・・夜霧様と恋仲になり、彼女が産み落とした赤子の父親が継国縁壱なのです」
その言葉に今度は場が驚愕の空気に変わる。
「何ということ・・・では、時透様の他にも始まりの呼吸の剣士の子孫が存在するのですか!?」
「はい・・・継国縁壱と夜霧様の血を引いた子供は現在も子孫を残しております」
「一体、誰なのですか?その子孫というのは?」
「我が家の者たちです」
「つっ・・・!」
あまねを初め、柱や華陽隊が話についていけない錯覚に陥る。
「あの、それはどういう・・・」
「継国縁壱と夜霧の子孫は私と夫の瀬津寿、そして我が子の晴哉、那津蒔、椛、霧香だということです」
「ま、まさか・・・!」
「マジか・・・」
杏寿郎と天元が戸惑いながらも言葉を発する。
「信じるか!そんな話!」
不死川が立ち上がった。
「お前らが始まり呼吸の剣士の子孫だあ?
そんな話、信じられるわけがねぇだろ!!デタラメぬかすな!!」
「不死川様」
「奥方様、そしてお休みのお館様に失礼なのは承知の上ですがこれは言わせていただきますよ!
確かにお前たちの資源や物資には助けられてはいる、だがな!
言って良い事と悪い事があるぜ、隠し事の開示だとか言ってるがこの会議こそアンタらが優位に立ちたい目論見なんじゃないのか!?」
「不死川様、父や母を侮辱する気ですか?」
霧香の目が殺気立つ。
「どう捉えようと構わねぇぜ、ただ痣者が出てから時を見ていたかのような今、この話を持ち掛けることが俺には怪しくて仕方がねーんだよ!!」
「不死川様、いくら何でも言い過ぎですわ」
「そうよ!今の言葉、私も許せないわ!
瀬津寿様や安岐様のことはあなたよりもずっとよく知っているんだから!今は引退しているけど私の父や琴乃のお爺様と肩を並べる五家の長の一人を勤めた方よ、そこまで言われる筋合いはないわ!」
「身内同士の庇い合いか、名家も落ちぶれたな」
「つっ・・・!!」
「風柱殿」
一触即発になろうとする華陽隊と不死川を止めたのは瀬津寿の声だった。
「そなたが疑うのも無理はない、いやこの場にいる柱やあまね殿、輝哉殿にも疑われて当然だ。
だが安岐の話は嘘ではない、私たちは日の呼吸の剣士と五大呪術家の鬼狩りの子孫だ。証人たちもしっかりいる」
「証人だと?」
「我が家の使役鬼の津雲、黒椎、紅虎だ。ここであまね殿や輝哉殿にお願いしたい、証人である彼ら(使役鬼)をこの場に呼び寄せ、話をさせてはもらえないだろうか?」
「それは・・・」
あまねは正直悩む、いくら使役鬼とはいえ鬼を三体も屋敷の中に呼び出すなど危険すぎる問題だ。
「あまね殿、我らはあくまで子孫。その当時の事を知っているわけではない。
身体の半分の血が妖であった初代様は二百数年生きられたが、それから数百年、私は四十余年で普通の人間のように老いぼれている。私の父は七十余年で世を去った、もはや『普通の人の子』と変わらぬよ」
「・・・・・・」
「私たちとは違い、津雲たちは私たちの知らない時代を生きていた。変わりゆくその時その時をな、あやつらは謂わば『生きる歴史』よ。その歴史の中には思い出したくないものもある、それが本人にとって辛ければ尚の事・・・、だが私から本人たちには『時が来たら話をしてほしい』と言ってあるし、各々了承してくれている。
ここにいる皆にも誤解の無いようにしておきたい」
瀬津寿はその場で手を付き、頭を下げた。
「この通り、私の家族にどうかこの場で話をさせていただくのをお許し願いたい」
「「「「・・・・・」」」」
それに倣い、安岐や晴哉、那津蒔、椛も頭を下げる。
「・・・・・・」
それを見た霧香も先ほど振り上げた手を下ろして不死川の前に両膝をついた。
「!?」
その行動に不死川も一瞬、後ずさる。