第72話 決断
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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刀鍛冶の里での任務の詳細はその日の夕刻、呪術家出身の隠しが認めた文を伝書鳩によって届けられ、瀬津寿の知ることとなった。
「あなた・・・」
「安岐か」
夫の思い悩む表情を察して傍に寄り、座る安岐。
「ついに来てしまったのかもしれん・・・」
「ではあのことを霧香たちにお話されるのですか?」
「・・・ああ、呪術家出身で事後処理で動いていた隠しの者の話では華陽隊全員に『痣』があるとのことだ。
そして霧香、琴乃は髪の色まで変化したという。
おそらく私たちの妖の血が表面化しているのだろう、そしてそのためか戦闘後はぐったりしていた三名だが、半日ほどで寝台から起き上がれるほど体力が戻っているそうだ」
「では妖の血の復活もありますが痣が発現したことでより体の内部の発達が・・・」
「ああ、活発になっている。異常なほどにな・・・、お前も知っての通り、痣者は二十五を迎えるまでに死に絶える。
おそらく劇的に身体的の強化をした反面、体がその変化に耐え切れず寿命が尽きてしまうのだ。
三名の異常な回復力もそのためだろう、だからこそ慢心してはいかんのだ。
突発的に手に入った力は長続きなどせぬ、それが『始まりの呼吸の剣士たち』の時代が短かった理由の一つであろう」
瀬津寿は立ち上がった。
「輝哉殿と鉄斎殿に文を認める。
産屋敷家と柱たち同席で我らが唯一話さなかったあの出来事を伝えにいくことを許してもらいたいとな」
「大丈夫です、鉄斎様も火津地様もわかってくださいますよ」
「ああ、それから安岐・・・お前もこの話を伝える時には同席してくれ」
「はい、心得ております」
『時がきた』と言われた時から既に安岐の心は決まっていた。
そんな妻の顔を見て安心した瀬津寿はただ一言だけ伝えた。
「お前は本当に俺には出来過ぎた妻だ」
――――――――――――
それから三日後、蜜璃と無一郎が動けるようになったので海野家一同と琴乃、アカリは夕暮れ時に産屋敷家を訪問した。
「本日はお集まりいただき、感謝する」
「いいえ、こちらもさっそくお時間をいただけて感謝しております」
瀬津寿が先に挨拶をするとあまねがお礼の言葉を伝えた。
「柱の方々は岩柱殿、音柱殿・・・そして炎柱殿を除いてはお初にお目にかかるかな。
海野家前当主の瀬津寿の申す、先達ての刀鍛冶の里では娘たちがお世話になり申した」
深々と頭を下げる瀬津寿。
彼の上げた三人の柱以外は初対面となるのだが引退をしていても海野家の頭を勤めた人物、雰囲気で只者でないことは感じ取っていた。
「恋柱殿、霞柱殿、お加減はいかがかな?」
「あ!はははは、はいぃぃ~~っ!!だ、大丈夫ですっ!!」
蜜璃は緊張から声が上ずってしまう。
「ぼ、僕も大丈夫ですっ・・・!ありがとうございます・・・!」
無一郎も自分に声がかかるとは思わなかったようで肩を少し跳ねさせていた。
「うむ、それならばよかった。ハッハハハ」
見た目は厳格なおじさんなのに笑うと人懐っこい、柱の初対面の者たちは少し調子が狂う。
「ここにお集まりいただいたのは私から輝哉殿、あまね殿、そして柱の皆様に伝えたいことがあってのこと。
そのためご無理を言って輝哉殿のお耳にも入れるように寝所のお隣のお部屋でこの話し合いを儲けさせていただいた次第」
「瀬津寿殿」
そこで悲鳴嶼が言葉を発する。
「お館様には奥方様を通してお話しいただくこともできたはず、しかしながらこのような措置をしたということは迅速に伝える且つ重要な話の内容だとお察しするが・・・」
察しの良いことだと瀬津寿は頷いた。