第71話 よかったね
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「鋼鐵塚さん、いつも俺の刀の手入れをしてくれてありがとうございます。
そのお礼が言いたくて、俺はこの里に来たんです」
炭治郎が礼を言うと今度は背中を向けてしまった鋼鐵塚。
「え?!あ、あの・・・」
「・・・・か」
「?」
「刀はちゃんと打ち直してやるから・・・蝶屋敷で待っとけ」
「!」
その言葉に一気に炭治郎の顔が明るくなる。
「直してくれるんですか?!」
「・・・・いいのか?直さなくて」
「いいえ!そんなことありません!!嬉しいです、ありがとうございます!!」
「・・・・・お・・おう」
鋼鐵塚の背中と返事の節々に嬉しさが混じっている。
〈もしかして・・・鋼鐵塚さん、照れてる?イヤだ!!可愛い!!〉
口に出したら絶対に鬼の形相をされるのでできないが鋼鐵塚の意外な一面に密かにときめいてしまう霧香だった。
だが、ここで空気を読まない人物が一人いる。
「鋼鐵塚さん、何だか照れてます?おかしいですね!!アハハハハッ!!」
小鉄である、その言葉に鋼鐵塚本人を除く面々が『!?(言うな!!)』と思った時にはもう遅かった。
「キシャアアアァァ――――!!!」
鋼鐵塚は小鉄の両足を思いきり掴んで振り回す。
「俺は!照れてねえぇぇ――っ!!!」
「うわあああああ!!」
二人のやり取りを見て、やれやれと思う一同。
「でも、本当によかったです。俺もまだまだ頑張らないと!」
「うむ、頑張りや」
炭治郎の意気込みに微笑ましく頷く鉄珍だった。
「ああ~~、頭がクラクラする~~」
ようやく鋼鐵塚から解放された小鉄が戻ってきた。
「小鉄くん・・・ハキハキ言葉を言うのは良いけど、相手と状況をちゃんと見てから言おうね。特に鋼鐵塚さんの場合は今みたいな目に遭うから」
「はい・・・」
フラフラしている状態の小鉄に苦笑していた霧香だったが、ふとあることを思い出し、笙に屈んでくれるように耳打ちした。
「小鉄くん、一つお願いがあるんだけど・・・」
「お願いですか?」
「うん、ちょっと耳貸して」
短く用件を伝えると小鉄は快く頷いた。
「任せてください!」
「ありがとう」
「話は済んだかの?」
見ると荷車の側には隠しの人が立っており、もう里を出なければいけないようだ。
「はい、大丈夫です」
「そうか、では隠しの人、頼みましたぞ」
「はい、では来た時と同じように目隠しと鼻栓をします」
そして有無を言わさず炭治郎に目隠しをさせ、鼻に栓を突っ込んだ。
続いて霧香たちの分も出そうとするが・・・。
「ああ、今回俺たちは『自分たちの道』を通って帰るから大丈夫だ」
『自分たちの道』とは霊脈を使って移動する例の空間通路の事だろう。
「承知しました、ならば炭治郎さんだけお送りします」
「ああ、そうしてくれ。入り口の所はちょうど炭治郎と別れる道にもつながってるからそこまではこのままついて行かせてもらうぜ」
「承知いたしました」
――――――――――――
「ふぇは、みなはんふぉへんひで!!(では、皆さんお元気で!!)」
鼻栓をしているため鼻声になっている炭治郎、五大呪術家一同も会釈をする。
「達者でな」
「道中お気をつけて」
「また来てくださいね!」
「・・・・・」
各々声をかけて手を振って見送ってくれている里の人々。