第71話 よかったね
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「鉄珍様~!」
「おお、小鉄」
復興の現場指揮を執っている鉄珍の元へ荷車を押した鉄穴森と小鉄。
そして笙に背負われた霧香、隣には琴乃とアカリの姿もあった。
「炭治郎さんたちが里を去るので挨拶したいそうです」
「そうか」
小鉄は荷車に横になっている炭治郎を起こす。
「体は大丈夫なのか?」
炭治郎が起き上がったのを確認して声をかける鉄珍。
「はい、いろいろありがとうございました」
「そうか、霧香ちゃんの方はどうじゃ?」
「痛みはまだありますが命に別状はありません、こんな姿でご挨拶する形になり、申し訳ありません。休息の際はここにみんな共々、お世話になり、感謝しております。
それに炭治郎にはこんなに立派な荷車まで・・・・」
「何を言うんじゃ、御礼を言うのはこちらじゃて。お前さんたちがいたからこそこの里を守れたんじゃ、感謝してもしきれんわい」
「いいえ、俺の力なんて大したことありませんでした。
みんなの力で、みんなの力と何百年と紡いできた刀があったからこそ上弦に勝つことができたんだと思います」
炭治郎の言葉にうんうんと頷く鉄珍。
「妹は大丈夫なのか?」
「今は眠っています、今回はかなり無理をさせてしまいましたから」
「そうか・・・みんな、本当に無事でよかったな!」
「・・・・はい!」
鉄珍は炭治郎の返事にまたうんうんと頷いていたが視界の端に何かが視えたので振り返ると―――・・・。
「鉄穴森よ、あそこでこそこそしているのは蛍か?」
「あ、はい」
「何をしているんじゃ?」
「隠れているつもりのようですが・・・研磨途中の刀を使った炭治郎さんが許せないらしくて・・・」
それを聞いた時、鉄珍はため息をついた。
「仕方のないやつじゃ・・・・蛍、ちょっとこっち来い!」
「つっ・・・」
里長に呼ばれたのであれば行かないわけにはいかないのだが、どうにも足が素直に動いてくれない。
岩陰から出てきたは良いもののそのまま動こうとしない。
「こっちへ来いと言っとるんじゃ!」
「・・・・・・」
するとしぶしぶ歩み寄ってくる。
〈そんな不貞腐れた歩き方で来なくても・・・〉
笙に背負われた霧香は呆れている。
「蛍」
「・・・・悪いのはコイツなんですよ」
そう言うと鋼鐵塚は炭治郎の頬を小突く。
「そうだな?!そうだろ!?」
大人気ないっ・・・(五大呪術家一同)
とても三十七歳の男性がする行動とは思えない。
「で、でもでも今回炭治郎さんたちがいなければ里は壊滅していたと思いますよ!!」
「・・・・・フンッ!」
小鉄の一言に反論できずに小突くのを止める鋼鐵塚。
「蛍よ・・・、本当は里まで来てくれた炭治郎くんに挨拶しに来たんじゃろう?」
鉄珍の言葉に少し肩を震わせる。
「・・・・・」
「鋼鐵塚さん・・・」
炭治郎は鋼鐵塚が不器用な人間であることは知っている、でも挨拶をしにきてくれるほど気持ちを表面化してくれたことが何より嬉しいのだ。