第71話 よかったね
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「みんなああああ!!」
すると今度は森の方から高い声が聞こえた、振り向くと蜜璃と琴乃が駆けてくる。
「甘露寺様!琴乃!」
「霧香~~!!炭治郎く~~ん!!」
負傷してはいるものの元気に駆け寄ってくる。
「うわあああ!!勝った勝ったあ!!みんなで勝ったよ!!凄いよおおお!!」
感極まって全員を二人がかりでハグをする、便乗して笙も混じってくる。
「そうだな!よく頑張ったな!お前たち!!」
「はい!生きてますううう!!よかったぁああああ!!」
「ホント!!こんなに嬉しいことはないわよ~~!!」
「よかった・・・よかったねえ」
「「え?」」
「よかったねえ」
「えええええええ~~~!!??」
禰豆子が話したので蜜璃は驚きと同時に後退る、単純に何が起きているのかわからないようだ。
「どういうこと?霧香」
それは琴乃も感じていたようで霧香に『説明して』と視線を送る。
「私にもよくはわからないんだ・・・ただ彼女の中で、何か変化があったのかもしれない」
「ふ~む、そうなると今後はもっと警戒しなければならないわね」
「うん・・・」
太陽を克服した鬼が現れたことが無惨に知れればどうなるかわからない二人ではない。
でも今だけでもいい、みんなが戦いを終え、生き残ったことを喜ぼう。
「・・・・・」
「ん?どうしたの?霧香」
急に無言になった霧香を不思議がる琴乃。
「ごめん・・・琴乃・・・」
「え?」
「もう、限界・・・」
フラッ・・・バタンッ――・・・
力が抜けたかと思うと霧香の体はずり落ちるように地面に倒れた。
「霧香!?」
「うわああああ!!霧香さ――ん!!」
「!?」
「海野様!」
「霧香さんっ!!」
その場にいる者が騒然とする中、意識が薄れていく霧香。
しかし心の中には愛しい人顔が浮かんでいた。
―― 杏寿郎さん、私は今回の任務も無事に成し遂げました。
体中傷だらけで、また心配をかけてしまうかもしれないけれど・・・今は一刻も早く戻って、あなたに会いたい ――
新しい刀の付けられた鍔、杏寿郎が送ってくれた宝物。
――あなたからの贈り物で、私や炭治郎は助かることができました――
嬉し涙を一筋流して、想い人の再会に胸を躍らせる。しかしそれにはしばらくの休息が必要、霧香は安心して意識を手放した。
その後、刀鍛冶の里では復興と移転が急がれる。何しろ拠点が見つかってしまった以上別の場所に移らなけらばならない。
しかし何より救いだったのは上弦の鬼二体の襲撃を受けたにも関わらず、炭治郎や霧香たちを含めて鬼殺隊の尽力もあり、里の被害は最小限に留めることができた。
失われた者を悼む時間はない、鬼は待ってはくれないし、人が命を落としてもこの世の巡りは止まらないのだから。