第71話 よかったね
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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その頃、森の中では憎珀天との戦いを続けていた蜜璃と琴乃。
しかし彼女たちの体力も限界だ。
「ぎゃあああ~~~~!!もう無理!!ごめんなさい、殺されちゃう~~~!!!」
「甘露寺様、諦めないでください!霧香達も頑張ってくれてるんです!」
琴乃は諦めずに踏ん張り、木の竜の首を叩き割る。
「でもでもでも~~~っ!!」
しかし次の瞬間、木の竜が朽ちて形が崩れていく。それに伴って憎珀天の姿も消滅していった。
「これは・・・」
「きゃあ!!助かったあ・・・!!炭治郎くんたちよ!きっと本体の頸を斬ったんだわ!」
「そのようですね・・・動けますか?」
「うん!大丈夫!早くみんなの所に行きましょう!!」
先程の弱音を言っていた様子はどこへやら、蜜璃は颯爽と走り出した。
―――――――――
「炭治郎、大丈夫?」
三人が集まっているところに無一郎が小鉄に肩を借りて合流してきた。
「あ・・・と・・・時透くん・・・、よかった、無事で・・・。刀・・・ありがとう・・・」
「ううん、こちらこそありがとう・・・君のお陰で大切なものを取り戻した」
「え・・・?そんな、何もしてないよ俺・・・」
無一郎が記憶を取り戻したことを知らない炭治郎はポカーンとしている。
でも無一郎にとっては炭治郎の言葉がきっかけになったのだ、感謝してもしきれない気持ちなのだ。
「・・・・・!」
そしてもう一つ、霧香のことだ。
彼女の今の姿、藍色で毛先が少し白い髪、透き透る水のような澄んだ瞳。
自分に力をくれたあの女性にそっくりだ。
「霧香さん・・・その姿は?」
「私の妖の血が表面化したものです、何をきっかけで目覚めたのかは私にもわかりませんが・・・でも、この力で今回の戦いは勝てたのだと思います」
「そっか、君にも僕は救われたんだ。ありがとう」
「え?何のことでしょうか?」
「君と炭治郎の言葉で・・・僕は大切なものを取り戻せたんだ」
彼の瞳はいつものような朧げなものではない、それははっきりとわかった。
「・・・・そうですか、それはよろしゅうございました。微力ながらお力になれたのでしたら私も嬉しいです」
微笑む霧香を見て――・・・ああ、やっぱり似ていると思った無一郎だった。
「それにしても禰豆子はどうなってるの?」
朝陽が昇っているにも関わらずに平気な禰豆子に首を傾げる無一郎。
ところがそこへ炭治郎を責め立てるような声が響いた。
「お前っ!!」
ドスの利いた声に振り返ると全身血まみれの男が髪の毛を逆立てて炭治郎を睨んで立っている。
「え・・・?」
あまりの殺気に若干引いている炭治郎。
「ぐぬぬぬぬぬっ!!俺の刀はどうした!?」
全身に纏っている怒りのオーラ、こんなもの出す人間はこの里では一人しかいない。
「もしかして・・・鋼鐵塚さん?」
横にいる笙を見ると頷いている。
「俺が研いでいた刀はどうなったのかと聞いているんだ!」
「そ、それは上弦の鬼と戦って・・・・」
「ああ!戦った!その後はどうした!?」
「上弦の鬼と戦って、その後・・・えっと、アレ?どうしたっけ?俺、気を失って・・・・」
記憶を辿るのに時間がかかっている炭治郎の後ろから先ほど霧香に助けられた鍛冶師たちが出てくる。
「竈門殿の刀でしたら海野様のものと一緒に俺たちが回収を・・・」
「折ったな!?」
言い終わらないうちにズズイッと炭治郎との距離を縮めてくる鋼鐵塚。
「折ったんだな?正直に言え!正・直・にっっ!」
炭治郎の頬を小突きながら般若の顔をしている鋼鐵塚。
「殺してやるうぅぅっ!!!」
「うわあああ!!禰豆子、逃げろっ!!」
「逃げろ~!逃げろ~!」
「逃がすかあぁぁ!!」
すぐに追いかけっこが始まってしまう、鉄穴森が止めているが全く効果がない。
「いくら前科があるとはいえ、信用しなさすぎるでしょう・・・鋼鐵塚さん・・・」
実際に刀への愛情の裏返しを目の当たりにしてため息の出る霧香だった。