間章 偽鬼の誕生
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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そしてとある屋敷ではある男が狂喜の声を発していた。
「ついに太陽を克服する者が現れた・・・!!よくやった!!半天狗!!」
子供の姿に身を変えていた無惨だ。
「これでもう青い彼岸花を探す必要もない、クククッ」
表向きはこの屋敷の養子となって過ごしていたのだが、いつもよりも機嫌のいい我が子に興味を持って話しかけた屋敷の奥方、しかし無惨はそんな言葉も目障りだとばかりに首を殴り飛ばした。
お茶を持って控えていたメイドが小さい悲鳴を上げて座り込む。
「永かった・・・!!しかしこの為・・・この為に千年!!増やしたくもない同類を増やし続けたのだ」
子供の容姿がどんどん変化していく。
「十二鬼月の中にすら現れなかった稀有な体質!!選ばれし鬼!!
あの娘を喰って取り込めば私も太陽を克服できる!!」
元の姿になった無惨を目にしたメイドは今度こそ悲鳴を上げて助けを求めた。
しかしそれは虚しくも無惨によってかき消されてしまったのだった。
――――――――――――
鬼舞辻無惨が『鬼』となったのは、まだこの世が『平安』と言われていた時代。
大正よりも千年も前のことである、かつての彼は病弱でこのままでは二十歳までは生きられないと言われていた。
だが、ある一人の善良な医師によって彼は変わった。
その善良な医師はあくまで無惨に対して『少しでも生き永らえてほしい』と願い行ったことだが、今まで数多の医師の診察、治療を受けて効果を得られなかった無惨にとってはこの医師も同類、どうぜ自分を助けられない藪医者だと思っていた。
医師の調合した薬を飲んでも効果を感じられず、ついには寝たきりになった無惨は虚しく、腹立たしくなっていき、ついに鉈で薬の調合をしていた医師の頭を叩き割って殺してしまった。
だが、その医師の調合した薬が自分の体に効いてきたと実感したのはその数日後の事だった。
無惨の体には生気が漲り、強靭な肉体を手に入れたのだ。しかし、ここで問題があった・・・・陽の光の下を歩くことができなかったのだ。
これは直感だった、わかるのだ。日光に当たれば死ぬのだと―――・・・。
人の血肉を欲するのは、おそらく一般の食物を受け付けなくなっていたからだろう。
そして人を喰えば解決するため、無惨にとっては大した問題ではなかった。
それよりも昼間の行動が制限される、それは屈辱で在り怒りが募る。無惨は日の光が当たっても死なない体が欲しいと願うようになった。
しかしあの薬を調合していた医師は自らの手で殺してしまった、残るのは改良途中だった医師の調合資料のみ。
唯一の手掛かりは・・・青い彼岸花を使った薬ということだけだ。
ただこの青い彼岸花、生息地が全く分からなかった。栽培もできるかもわからず、とにかく無惨は日本中をできる限り探してみたが見つけることはできなかった。
だがここで諦めるわけにはいかない、改良ならば自分ですればいい。
幸い自分にはその時間がある、何を犠牲にしてもいい、どんな手段を使ってもいい。
使えるものは何でも使って捜し出すと決意した無惨。
そして同時進行で考えたのが『同胞を増やす』ことだ、もしかしたらその中に太陽を克服するものが現れるかもしれない。
その者を喰らえば自分が『太陽を克服した体質』になれる。
無惨はその二つのことを最優先に動き出した。