第70話 彼は誰時、朝ぼらけ
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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〈ああ――・・・無茶したなあ・・・これじゃ炭治郎のこと言えないじゃん私。
それより禰豆子ちゃん、間に合ったかな・・・響凱も早く戻してあげないと・・・〉
そんなことを突っ伏したまま考えていると体が起こされた。
「ボロボロだな」
「・・・・笙、さん・・・」
笙だった、どうやら一番元気な自分が代わりに降りてきたらしい。
「遊廓で目の色が変わったと聞いていたが・・・髪の色まで変化したか、痣も範囲が広くなったみたいだな」
笙の言葉に頷く霧香。
「琴乃もか?」
「見た目は・・・私と同じで髪の色まで変わりました・・・でも、痣までは・・・」
「そうか・・・」
しかし霧香の様子を見て『もしも』の時の腹をくくることにした。
「笙さん・・・禰豆子ちゃんは・・・?炭治郎は・・・?」
「ああ~~・・・そのことなんだが・・・」
やけに歯切れが悪い、まさかと思い、体に力を入れようとしたが笙が諫めた。
「いや、お前が想像してることとは違う」
「え・・・?」
「霧香さん」
どういうことかと聞こうとした時、炭治郎の声が聞こえた。
声の方に顔を向けると炭治郎が立っている、どうやら無事のようだ。しかし一つ驚くべきことが起きていた。
「・・・・・・」
炭治郎の横に禰豆子が立っている。
「禰豆子・・・ちゃん・・・?」
朝陽はとっくに昇っているはず、鬼である彼女が陽光に当たって無事でいるはずがない。
「ど、どういう・・・こと・・・?」
「わかりません・・・でも、あの時っ・・・」
炭治郎が言うには霧香が向かってくれた後、禰豆子を陽光が当たらない場所に避難させようとしたが自分も体が上手く動かせず、また禰豆子自身も陽光によって力を削がれて自力で動けなくなってしまったそうだ。
二人ともその場に倒れてしまう間にも太陽はどんどん昇ってくる。
「つっ!禰豆子っ!」
炭治郎は這いずって禰豆子にできるだけ太陽の光を当てない様にしようとするが体を起こすことができない。
禰豆子の体がどんどん灼け焦げていく。
〈止めろっ・・・止めろ止めろ止めろっ・・・〉
炭治郎は涙を溢れさせる、このままでは禰豆子までいなくなってしまう。
『必ず人間に戻してやる』と約束したのに・・・・。
「禰豆子っ・・・禰豆子おぉぉお!!」
ただ消えていく姿を見ていることしかできないのかと思っていた炭治郎だったが不思議なことが起こった。
禰豆子の陽光に灼けていった皮膚が元の状態に戻っていく。
「・・・・っ」
炭治郎はただその不思議な現象を見ているしかなかった。
禰豆子は太陽の下で消滅することもなく、人間と同じく動けるようになったのだ。
それはすなわち太陽を克服したということだ。
続く