第70話 彼は誰時、朝ぼらけ
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「禰豆子を連れてこの場を離れなさい、アイツは私が仕留める」
「・・・っ、霧香さんっ・・・」
霧香が隣りに立っていた。
「あなたには家族を守る役目がある」
「!」
『あなたには家族を守る役目があるでしょう、早く行きなさい!』
炭治郎の脳裏にまたあの女性の声が過る、誰かはわからない。でもとても力強く、安心する声。
「笙さん!」
「おう!鉄穴森、渡してくれ!」
霧香が駆け出すと鉄穴森に自分の研いだ刀を渡すように指示する笙。
霧香の進行方向に刀を投げると彼女はしっかり握り、鞘から刀身を抜いた。
〈恐れるな、巡らせろ――・・・自分の力を、全身へ!!〉
呼吸を集中させ、神経を巡らせる。
〈あの時のように――・・・視ろ、もっと広く、もっと深く――・・・〉
視えるものだけに捕らわれてはならない、もっとその奥を視ろ。
「・・・・・」
霧香はさらに強く地面を蹴った。
「うわあああ!!駄目だ!!駄目だ!!」
「ギャアア、追いつかれる!!」
『恨』の鬼が里の人間の頭を掴んだ時、その腕が切断された。
「最後まで逃げるだけだったな、卑怯者。だが・・・これでお終いだ」
霧香が柄を握り直すと刀身全体が白く輝いた。
「!」
「その手が悪いと言うなら手を斬り落とす、足が悪いと言うなら足を斬り落とす、口が悪いと言うなら舌を斬り落とす、目が悪いと言うなら目を抉り出す――・・・お前が散々言ってきた偽り、虚言に対しての裁きだ。だが今のお前に下す裁きは一つ。
地獄に行ってより過酷な償いをしてこい、大勢の罪なき人間を飲み込んだ頸の痛みごとな!!」
―― 雪の呼吸・拾ノ型 『雪炎(ゆきほむら)』 ――
霧香の白刀の一撃が半天狗の体を薙ぎ払った、そして心臓にいた本当の急所の頸も斬り落とした。
急所をやられたことで半天狗は完全に消滅した。
「ハア・・・ハア・・・」
霧香の手から刀が落ちる、刀身はいつも通りの白銀に戻っていた。
「海野様・・・?」
助けられた里の人々が霧香に声をかける。
ドサッ・・・・
「うわあああ!!海野さまぁぁああ!!」
霧香が倒れたことに慌てだす。