第70話 彼は誰時、朝ぼらけ
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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半天狗本体の頸を炭治郎は無一郎より受け取った刀で斬った。
これで上弦の鬼との死闘がようやく終わる、しかし問題はここからだ。
夜明けが近い、自分や仲間たちは負傷している、鬼である禰豆子も今回の戦いでかなり疲弊している。
ここは陽光が当たる、早く禰豆子を避難させなければ――・・・・妹が消えてしまう。
「つっ・・・!」
炭治郎は禰豆子に早く陽が当たらない場所に避難するように伝えようとする。
ズキンッ――・・・!
「うっ・・・ガハッゴホッゴホッ・・・!!」
しかし無茶な戦いを強いられた今回の戦い、しかも自分はまだ全快には至らないまま介入したため余計に負荷が大きい。
声が出ない、妹に『ここから離れろ』と伝えたいのに――。
すると何故か禰豆子がこちらに向かって走ってくる。
〈禰豆子っ・・・!こっちに来るな!!〉
危険なのは禰豆子の方だ、早く陽の光の当たらない場所に避難してほしい。
声が出ずともそう願い、こちらに来るなという素振りをする炭治郎に対して禰豆子も何かを伝えようとしている。
ある場所を指さしている、炭治郎の背後だ。
「うわああああ!!」
「!?」
頸を斬ったはずの半天狗の本体が里の人間を捕まえようと再生した両手を伸ばしている。
「つっ!?なっ・・・!」
炭治郎は自分が斬ったはずの半天狗の頸を見る、するとその舌には『恨』の文字があった。
〈違う・・・俺が斬ったのは本体じゃなかった!!〉
そう、炭治郎が斬ったのは七番目の半天狗の分身体だったのだ。
つまり本当の本体はまだ生きている。
「止めなければ・・・アイツに止めを!」
炭治郎は刀を握って走り出そうとする、そこに最悪なものが出た。
朝陽だ。
「ギャッ!」
「!!」
陽光に当たったことで禰豆子の顔が灼けていく。
「禰豆子!!」
咄嗟に炭治郎は禰豆子の上に覆い被さる。
「体を縮めろ!!小さくなるんだ!!縮め!!」
禰豆子を庇う一方、『恨』の鬼は里の人間を捕まえるために迫っている。
どうすればいい、玄弥は崖から降りきっていない。柱である無一郎もここまで来るには距離があり過ぎる。
かといって自分が離れれば禰豆子が消えてしまう。
半天狗も陽光に当たれば消滅するのではとも考えたがその前に里の人間が喰われてしまう。
炭治郎は選択を迫られる・・・妹か、里の人間か。
「炭治郎・・・」
「!」
その時だ、炭治郎の肩に手が置かれたのは――。