第68話 甘露寺蜜璃の走馬灯
名前変換
この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
詳しくは設定、注意書きをお読みください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ドシャッ――・・・!
攻撃を浴びて血まみれになった憎珀天が吹っ飛んで地面に落ちてくる。
立て続けに攻撃を受けたためか少し再生が遅れている。
「ふうぅ~・・・」
「「「「・・・・・」」」」
今まで自分たちが苦戦していた相手に百発も重い打撃を喰らわせた琴乃に口をあんぐり開けている炭治郎、玄弥、蜜璃。そして目を点にしている禰豆子。
「さあ――・・・これで少しは反省したかしら?坊や」
「・・・るな・・」
すると顔半分が潰れ、両手がなく、また体の節々が抉られた状態の憎珀天の体が起き上がった。
「調子に乗るな!小娘がああァァっ!」
鼓を叩くと雷撃が炭治郎たち、霧香、琴乃に向かって落とされる。
「たかだか十数年生きたくらいの小娘が粋がるな、たとえ妖の血を引いているとはいえ真(まこと)の鬼には勝てぬぞ」
「「!」」
再び落とされる雷撃。
「二人とも甘露寺さんを守るんだ!アイツに勝てる可能性があるこの人が希望の光だ!!琴乃さんと一緒に!!この人を守りきれば必ず勝てる!!
勝とう!!誰も死なない!!俺たちはもう・・・」
「・・・・」
『耳障りだ』とばかりに四人に向かって雷撃を落とす憎珀天。
「!」
「つっ・・・炭治郎――――っ!!」
雷撃によって立ち込めた砂埃の先にいる炭治郎たちに叫ぶ霧香。
「直撃じゃ、ヤツらはもう助からぬ」
「・・・・っ」
『しーん・・・』となる場、霧香の顔が悲しみに歪もうとした時だった。
「みんな、ありがとお~~~!!柱なのにヘマしちゃってごめんねえぇ!!」
蜜璃の声が聞こえた。
「どうやら無事みたいね」
「・・・・・」
どうやら蜜璃が日輪刀で雷撃を弾き斬ってくれたようだ。
霧香も蜜璃や炭治郎、禰豆子、玄弥の無事を確認できてホッとしている。
「霧香ちゃんも安心して!!仲間は絶っ対に死なせないからっ!!
鬼殺隊は私の大切な居場所なんだから!!上弦だろうが何だろうが関係ないわよ~~っ!!
私、悪い奴には絶対に負けない!!覚悟しなさいよ!!本気出すから!!」
蜜璃は涙を流しながら憎珀天を睨んだ。
彼女の能力を初めに認めてくれたのは両親や兄弟だちだった。
そして外の世界で初めて認めてくれたのは産屋敷家当主・輝哉だった。
『素晴らしい、君は神様から特別に愛された人なんだよ、蜜璃。
自分の強さを誇りなさい、君を悪く言う人は皆、君の才能を恐れ、羨ましがっているだけなんだよ』
その言葉を聞いた時、蜜璃は号泣した。
身内以外で初めて認めてもらえた、ありのままの自分を。
蜜璃は感謝した、自分を丈夫に産んでくれた両親に――・・・。
そして当主の輝哉、奥方のあまね、鬼殺隊で出会った仲間。そして柱の皆に・・・。
自分が持って生まれたこの力で人を助けることができた時、役に立てた時、涙を流してお礼を言ってくれた人たちに。
女性なのにこんなに強くていいのか、また人間じゃないみたいだって言われるんじゃないか、且つて言われていたことが尾を引いて力を押さえていたがそれはもう止める。
だって鬼殺隊(ここ)は――・・・・
〈ありのままの私を曝け出していい場所だから!!そしてこの力を『希望の光』だって言ってくれる人たちがいる場所だから!!〉
ヒュンッ!!
愛刀をしならせて立ち上がる。
「任せといて、みんな私が守るからね」
「甘露寺様」
すると隣りに琴乃が立つ。
「あなたは一人ではありませんよ」
琴乃の姿が変化している、いつもは深緑色の髪の毛をしているのに、今は黄緑色に髪、そして毛先が白くなっている。