第67話 遅参御免
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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〈あっ!そうよね!受けたら死んじゃうわよね!流すか、斬り進むしかないわ!〉
琴乃の言葉に落ち着いて仕切り直しを謀る蜜璃。
―― 恋の呼吸・伍ノ型 『揺らめく恋情・乱れ爪』 ――
増えた竜の頭や胴体を斬って憎珀天との間合いを一気に縮めた二人。
蜜璃と琴乃の刃がヤツの頸に届く、しかし憎珀天が口を開く。
〈ん!?何かしようとしてる!?でも大丈夫、頸を斬れば・・・〉
琴乃も同じように考えているようで引く気配がない。
そこへ霧香の声が響く。
「二人とも!ソイツは本体じゃない!!頸を斬っても死なない!!」
「「!?」」
しかしもう遅い。
―― 狂圧鳴波(きょうあつめいは)!!! ――
木の竜が放っていた音波攻撃よりもさらに威力の強い攻撃が二人に向かって放たれる。
「甘露寺様!琴乃!」
ギュウウゥゥン―――・・・ブチッブチッ
その時、禰豆子と玄弥を捕えていた竜の首が射抜かれる。
「禰豆子!玄弥!」
百合若だ、彼の血鬼術の込められた矢が竜の首を撃ち落としたのだ。
開放された二人は何とか受け身を取りつつ、着地する。
「按ずるな、波流門の娘」
「!」
百合若は極めて涼しい顔をしている。
「琴乃様はお前が心配するほど非力な方ではない」
その言葉通り、琴乃は攻撃を受けても尚立っている。
これには憎珀天も驚いている、膝をついてしまっている蜜璃に対しても信じられないという目で見ている。
理由は簡単だ、この技を受けて肉体を保っているからだ。
空喜が使っていた神経を狂わせる音波攻撃とは違い、憎珀天が使用したのは技の名前通り、圧力をかけて形も残らず散らせるもの。
しかしこの二人は散る処か肉体を保ったままでいる、琴乃に至っては膝を付かずに立っている。
そこで二人が拳を握りしめていることに気が付く、攻撃を喰らう前に全身の筋肉を硬直させていたのか・・・だが、それでも耐えられる技でもない。
「フフフ・・・」
「!?」
「どうして私たちが倒れないのか・・・爆散しなかったのか、不思議に思っているようね?」
〈この娘、意識まで飛んでおらぬのか!〉
口から少量の血を滴らせてはいるものの口角を上げて話しかけてくる琴乃に益々驚いている。
「まさか・・・」
憎珀天は一つ、思い当たることがあった。
それは権現門黒鉄家では稀に特異体質の者が生まれると聞く、もしこの琴乃がその体質の持ち主だとしたら―――・・・そして蜜璃もまたその特異体質に近い者だとしたら―――・・・。
〈これは良い〉
質の良い肉を喰らうことは強さに直結する、だが動かれては面倒だ。
そこで二人の頭蓋と脳味噌を殴り潰しておくことにしようと拳を握りしめた。
憎珀天の拳が琴乃の顔に迫ってくる。
パシッ!!
「!?」
「あまり私をナメないでちょうだい?坊や?」
憎珀天の拳を受け止めた琴乃の瞳が碧色に変わっていく。
続く