第67話 遅参御免
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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〈なっ!竜の口から首が!!〉
首で繋がった頭は炭治郎ごと響凱の体に噛み付く、そのまま二人を引き寄せると己の口の中に引きづり込もうとする。
「炭治郎!響凱!」
二人が捕らえられたことで一瞬の隙が出来てしまった霧香、憎珀天は見逃さずに彼女にも竜を差し向ける。
〈しまっ――・・!!〉
ギリギリギリ――・・・
木の竜が体に巻き付き締め上げられる。
「がはっ・・・」
「だから『心配をしている場合か?』と言っているのだ、悪人同士庇い合うとは・・・醜い」
「つっ・・・ぐっ!!」
霧香の体中の関節が悲鳴を上げる。
バックン
そして炭治郎と響凱が竜に吞み込まれた。
「うううううう!!」
「!」
〈炭治郎っ――・・・、響凱っ――・・・〉
このままでは全員やられてしまう、霧香は締め付けられる痛みの中必死に考えを巡らせているが次の瞬間、その痛みが無くなった。
「まったく~~・・・弟のことになると熱くなるんだから~」
「・・・・・っ」
気づけば目の前に琴乃がいる。
「琴乃・・・」
「遅くなってごめんね、霧香」
そこでようやく琴乃が木の竜を切って自分を助け出してくれたのだとわかった。
「しかし軽いわね~?ちゃんと食べてるの~?」
いわゆるお姫様抱っこをされている霧香、逞しすぎるだろう琴乃よ。
「はっ!?そうだ、炭治郎!響凱!」
そこで二人を助けに行くために暴れ出す霧香。
「大丈夫よ、霧香。あちらは甘露寺様が行かれたわ」
「え・・・?」
「キャ―――ッ!!」
「!」
悲鳴が聞こえて見上げると炭治郎を抱えている蜜璃がいる。
「すごいお化け!!なあにアレ!!」
どうやら炭治郎は助かったようである、残るは響凱だが――・・・。
「彼も大丈夫よ」
琴乃の言った通り、百合若に肩を借りて竜の体内から脱出した響凱。
「よ・・・よかったっ・・・!」
思わず涙ぐんでしまう霧香、そんな彼女の前に蜜璃が降りてくる。
「大丈夫!?ごめんね、遅れちゃって!!」
「甘露寺様っ・・・!」
霧香の涙の滲んだ顔を見て苦笑する蜜璃。
「ギリギリだったね、間に合ってよかった」
頭を撫でられ、一気に安心感が湧いてきてついに涙が零れてしまう。
「こらこらまだ泣かないの~!まだ終わってないんだから~!」
琴乃が霧香の肩をポンポンと叩く。
「つっ・・・グズッ・・うん、わかってる・・・っ」
わかっていてもなかなか霧香の涙は引っ込まない、今まで張りつめていた糸が切れたように涙が止まらないのだ。
「うんうん!ここまで頑張ったんだもの!仕方ないよね!偉かったぞ!」
蜜璃は霧香や炭治郎、響凱をそれぞれ見て言った。