第66話 朧月夜
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「でも腕の傷、わりと深いんで血が止まんないとこれから死ぬかもしれないですけど」
スパンッ!
「!?」
「!」
そこで笙が小鉄の頭を叩いた。
「イデ―――ッ!!」
「早く言えよ!!鉄穴森、コイツの腕の傷押さえとけ!!」
薬箱を開けて探し始める笙。
「血止め薬も渡すからコレ(水筒の水)で洗って塗ってやれ」
先に水筒を渡して傷口を綺麗にするように伝える。
「でもアンタ、鳩尾を攻撃されたのにどうしてそんなにピンピンしてるのよ?」
「ああ、それはですね」
懐をゴソゴソするとあるものを取り出した小鉄。
「炭治郎さんから預かっていた鍔を入れていたので助かりました。
刀が研ぎ終わったらつけて欲しいって言われてたんですよ」
「それはっ・・・!」
小鉄が取り出したのは杏寿郎がかつて使っていた炎を象った鍔だ。
霧香に託され、炭治郎の手に渡ったその鍔は小鉄に預けられ、刀に取り付けられるのを待っていたのだ。
「・・・・・・」
無一郎にもその鍔が見えた。
『柱として共に頑張ろう』
自分が柱になった時にかけられた言葉。
杏寿郎は最年少の柱である自分をいつも気にかけてくれた、記憶が朧気で不安定だった自分をいつも見守っていてくれた。
〈煉獄さん―――・・・僕・・・〉
無一郎の目からは自然と涙が流れていた。
『ほら全部うまくいった』
「!」
自分の体に温かい手が添えられる、父だ、母も傍で微笑んでくれている。
「・・・・・」
『・・・・・』
そして――・・・
『無一郎』
もう一人の大事な家族・・・。
『頑張ったなあ』
「・・・・つっ・・」
兄の有一郎がニッコリ笑って『頑張った』と褒めてくれた。
初めて兄に褒められた、でもそれも嬉しいことだが何より無一郎が嬉しかったのは心の霞が取り去られたことだった。
『・・・・・』
そして三人の後ろにもう一人・・・、父と一緒に現れた女性がこちらを見て微笑んでいる。
でもすぐにその人は消えてしまった、無一郎にはその女性に対してとても温かい気持ちになるのだった。
続く