第66話 朧月夜
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「もういいからさ、早く地獄に行ってくれないかな」
玉壺は完全に塵となって消えて行った。
「アカリ、もう大丈夫だよ。降りてきて」
そう言うとスタッと横に降り立ってきた。
「終わったよ」
「はい・・・」
「ごめんね、今までひどいこと言って」
「・・・・・」
「君の使役鬼の人にも無理させちゃったし」
「・・・・・」
「・・・アカリ?」
返事を返してくれないアカリを訝しげに思った無一郎は彼女の顔を覗き込もうとした、しかしその前にアカリに抱きしめられた。
「燕薇のことは大丈夫です、毒の浄化に少し時間がかかりますが命を落とすまでには至りませんでした・・・」
「そう、よかった・・・」
「それより私は・・・時透様がご無事でよかった。
私よりも重症なのにこんなに無茶して、あなたがいなくなったら悲しむ人が何人もいるのを自覚してくださいっ!」
「・・・・・、そうだね、ゴメン」
「おい、お前ら・・・イチャコラすんのはそこまでにしろ」
「「・・・・」」
そこには笙と鉄穴森が立っている。
「時透様は毒を受けてんだ、早く薬を飲ませないともっと危なくなるぞ」
「あ、大丈夫大丈夫、今凄く気分がいいんです、それにすぐに炭治郎たちの所に行かないと」
「お前・・・今の顔、鏡で見せてやろうか?死人かってくらい青ざめてんだぞ」
「そうです!!ものすごく顔色が悪いですよ!」
「全然大丈夫だってば僕の話聞いてる?」
「ゼイゼイ息切れしてる上に顔色が青から白くなってる奴の話を誰が信じるつーんだよ」
「いいからあなたたちははやくこてつくんのところへ・・・・」
そう言っている途中に無一郎は泡を噴いて倒れた。
「おえっ(バタン!!)」
「ほれみろ」
やれやれという風に無一郎の側に座り込む笙。
「とりあえず横向きにしろ、泡で気管が詰まって窒息しちまったら元も子もない。
アカリ、鉄穴森、お前らは壊れたあばら屋から俺の荷物持ってこい。念のために薬箱一式持って来てるからよ」
「は、はい!」
二人はバタバタと壊れたあばら屋に駆け出す。
「時透様、とりあえず横に少し体起こすぞ」
「っ・・・」
「まず口の中の泡、全部出せ。咽るようならそれも吐き出してもいい」
「うっ、おえっ・・・!」
「よし、そしてゆっくり呼吸をしろ」
「はあ・・・はあ・・・」
そうこうしているうちに二人が笙の荷物を持ってきた。
「おう、ご苦労」
笙は荷物の中から薬箱を取り出すと二つの粉末を水に溶く、そして短い竹筒のようなものに入れて細い竹の棒を差し込んで無一郎の口元に差し出した。
「前にあの上弦の鬼にやられた呪術家の人間の血液から香炉家が研究して製造した解毒薬だ。
まずは毒素を失くす、ゆっくり飲め、体に負荷をかけると効き目が悪くなる」
無一郎は言う通りに竹筒から少しづつ薬湯を飲み込む。
「手際がいいですね、笙さん」
「ん?」
「え?」
そこへ第三者の声が聞こえたので振り向くと・・・。
「うわ―――!!!小鉄少年の亡霊!!」
鳩尾を刺されて死んだとばかり思っていた小鉄が立っている。
「いや全然死んでないので亡霊じゃないスよ」
「いやいや亡霊って自分でわからないものなんですよ!!死んでるのが!!」
「いやいやいや生身なので」
「いやいやいやいや!!鳩尾をそんな出血して死んでないはずないでしょうが!!」
「いいえ、鉄穴森さん」
「へ?」
アカリの声に振り返る鉄穴森。
「彼、本当に生きてるわ。体に生気が感じられるから」
「ほらね、それとこの血は切られた腕の方の血なんですよ。あの時、押さえてたからついちゃって」
『アハハ』と少し笑いながらいう小鉄。