第65話 霞の晴れた先
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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[〈この餓鬼どもっ!仮にも怨敵を目の前にしているのに自分たちの世界に入りおって!!
私のことなど眼中になくとも相手ができると思っているのか?!益々腹立たしい!!〉
目の前で繰り広げられている無自覚のイチャ付きにイライラしている玉壺。
「それが舐めていると言ってるんだ糞餓鬼どもめ、たかだが十年やそこらしか生きてもいない分際で」
「「・・・・」」
二人は玉壺をじっと見ている。
「いやいや、そう言われても仕方がないわよ、何せアンタには尊敬できる部分が何一つ思い浮かばないもの」
「そうそう、見た目も喋り方もとにかく気色が悪い」
「むしろ自分のどこをそんなに過大評価できるのか教えてもらいたいくらいだわ。
さっきお披露目した『作品』っていうのも何の感動もしない『駄作』よ!だ・さ・く!
そもそも人間を使ったものに『美的』なんてものを求めないで欲しいわ」
「ホントだよ、むしろ『アレ』に使われた鍛冶師の人たちに謝りなよ」
「ぐぬぬぬっ・・・!!」
玉壺は冷静になるために一旦壺の中に戻るが怒りはそう簡単には収まらない。
「私のこの美しさ、気品・・・優雅さが理解できないのはお前たちが無教養の貧乏人だからだ、便所虫に本を見せても読めないのと同じ」
「『虫みたいな図体』のアンタに言われたくないんだけど?目に口があって額と口に目があるってどれだけ気色悪いか分からないの?
顔の横には手が幾つも生えててウニョウニョしてるし――・・・ううぅぅっ、無理!生理的に無理!!」
「それに君の方が何だか便所に住んでいそうだしね」
「言わないでください!時透様!考えない様にしてたのにっ!!」
「あ、ゴメン」
「黙れ!便所虫ども!!」
『うにょり!』と壺から出てくる玉壺。
「お前たちのような手足の短いちんちくりんの刃が私に届くわけがない」
「いや、さっきから思いっきり届いてたでしょ、そもそも君の方が手足短いし。
ああ、もしかして自分に対して言ってる?独り言だった?邪魔してごめんね」
「時透様~~、『無教養な馬鹿』に言っても無駄ですよ。ソイツ自分の手足がどこにあるかもわかってないでしょうし」
「ヒョッヒョッヒョッ、安い挑発だのう。勝ちたくて必死のようだな、見苦しいことだ。この程度で玉壺様が取り乱すとでも?」
二人の悪口をカラカラ笑っている玉壺だが時透は『うーん』と唸りながら首を傾げている。
「どうしたんです?」
「うーん・・・なんか気になっちゃうんだよね。あいつのあの壺」
「うん?」
「なんか形歪んでない?左右対称に見えない、下っ手くそだなあって思って」
「ああ!それはきっとあいつの歪んだ性格が壺に反映されてるんですよ!!」
「あ、そうか!アカリ、良いところに気付いたね!」
『アハハハハ』と笑っている二人に玉壺の堪忍袋の緒はもう限界だった。
「それは貴様らの目玉が腐っているからだろうがアアアッ!!!」
玉壺の各手に壺が出現する。
「血鬼術――・・・『一万滑空粘魚(いちまんかっくうねんぎょ)』!!」
数多の飛魚のようなものが二人に向かってくる。
「一万匹の刺客がお前たちを骨まで喰いつくす!!私の作品の一部にしてやろう!!」
「フウウゥゥ――・・・」
「シイィィ――・・・」
無一郎とアカリは呼吸を整える、先に動いたのはアカリだった。
「光の呼吸・陸ノ型――・・・『飛来電光』!!」
その場で体を回転させて迫ってくる魚たちを斬り落としていく。
『飛来電光』は攻守ともにできる剣技、雷の呼吸を伝授されている際に極めた俊敏性と払い技を組み合わせた技である。
範囲的には琴乃の『ソハヤの矢車』の方が敵にダメージを与えることに対しては効果的だろうが刀の分、小回りが利くため防御技、また短い時間で相手を仕留めるには有効的だ。