第5話 鼓の屋敷
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「あれ?炭治郎は知らなかったっけ?私たち五大呪術家の一門は平安時代から悪鬼を狩る術を身につけた陰陽師の一族で五感が良いんだ。
そして代々その遺伝子が受け継がれている、主に戦闘の際に発達しているのは『聴覚』、『触覚』、『視覚』、『嗅覚』かな、『味覚』は必要な時以外はあまり使われないけど」
「そ、そうなんですね・・・すごいですね・・・」
「とにかく気を付けて複数の雑魚鬼と根源の鬼がいる、五人いても手が足りるかどうか・・・」
「大丈夫です!霧香さんは強いですから!」
「フフフ・・・ありがとう、炭治郎」
「ねえ・・・・炭治郎」
「?」
振り返ると善逸が服を引っ張っている。
「何?善逸」
「俺の事、守ってくれるんだよね?守ってくれるんだよね?炭治郎」
「・・・・・善逸、ちょっと申し訳ないが、俺は前の戦いで肋と足の骨を折っている、しかもまだ完治していない、だから・・・」
「えええ―――――っ!!何折ってんだよ、骨!折れるんじゃないよ、骨!折れてる炭治郎じゃ俺を守り切れないぜ、死んじまうぞォォ!!
ヒヤァァァ――――っ!!どうすんだ、どうすんだよ、コレ!死ぬよ死ぬよ!ぜーったい死ぬよォォ!!
骨折してるなんてあんまりじゃないかっ!死んだよ俺ッ!九分九厘死んだ!!」
「大丈夫よ、善逸くん、何とかなるわ~」
「気休めは止してくださいよォォ―――ッ!!」
また荒ぶる善逸。
「つっ!こっちに来るな!」
「ギャ――――ッ!!何ですかッ!霧香さんッ!」
善逸が震えているのを無視して屋敷の中に入ってきた者に出るように促す。
それは先ほど外で待つようにいったあの幼い兄妹だった。
「どうして入ってきたの?」
「だって、兄ちゃんが置いていったあの箱カリカリ音がしてるから・・・」
「だ、だからって置いてこられた切ないぞ!あれは『俺の命より大事なもの』なのに・・・」
「「「?」」」
炭治郎の『命より大事なもの』という言葉に引っかかったがすぐに緊張が戻る。
屋敷が大きく揺れたからだ。
「~~~っ!」
妹は霧香にしがみつき、兄の方は揺れる壁や天井を見回している。
琴乃とアカリはそれぞれ日輪刀を抜けるように構えている。
「ギャアアア―――ッ!!!」
「「「つっ!?」」」
しかし善逸だけは変わらず、恐怖により取り乱していてあまつさえ尻で霧香と妹を突き飛ばしていた。
「痛っ」
二人は部屋の一室に倒れ込んだ。
「何をするんだ、善逸!」
「ご、ごめん・・・尻が当たって・・・」
霧香に駆け寄った炭治郎が怒るがすぐに目の前から四人が消えた。
ポンッ―――・・・
「「「!」」」
ポン――・・・ポン――・・・
ポン――・・・ポン――・・・
ポン――・・・ポン――・・・
鼓が鳴るごとに部屋の間取りが変わる。
「部屋が変わった?それとも俺たちが移動したのか?」
「多分後者だと思う、この屋敷にいる鬼の血鬼術だろうね」
霧香は妹の前に膝を折る。
「お兄ちゃんとはぐれちゃったね、でも大丈夫・・・君は私と炭治郎で必ず守るから」
「ううぅ・・・ひっく・・・」
「お兄ちゃんの方も心配ないさ、琴乃さんやアカリさん、善逸が守ってくれる・・・だから心配しなくていい」
炭治郎も妹の涙を拭いながら言った。
「名前は言えるかい?」
「てる子・・・」
「そうか、いい名前をつけてもらった・・・つっ!?」
「っ!」
炭治郎と霧香は臭いですぐてる子を背中に隠した。
ズシッ・・・ズシッ・・・
部屋の外から大きな足が見えた。
続いて体に鼓を生やした巨大な鬼が現れた。
〈いくつかの匂いの中でもこの屋敷の中でも一番染みついている匂い・・・かなり人を喰ってる〉
炭治郎は臭いで全て感じ取ったようだ。
「霧香さん」
「うん」
霧香は背後にいるてる子に小さく話しかける。