第62話 柱になりたい理由
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「炭治郎、一旦離れて!攻撃が来る!」
「・・・・・」
攻撃が来るのは炭治郎だけではなかった、新しい鬼が何かを打ち鳴らすと地面から樹の蛇が現れた。
「!」
それは霧香にも向かってくる。
「・・・響凱っ!!」
「つっ・・・!」
寸でのところを響凱に救われる。
「無事か?」
「うん、ありがとう」
危機を打破した霧香は新しい鬼を見る。
「弱き者をいたぶる鬼畜・・・・不快、不愉快極まれり、極悪人どもが」
「!」
そこにいたのは雷神のような姿をした子供だった、しかし鼓には『憎』の文字が記されている。
そして先ほどまで炭治郎が討とうとしていた鬼は樹木によって守られている。
〈馬鹿なっ・・・!六体目!?〉
そこでふとあることを考える霧香、コイツ(六体目)が現れたのと喜怒哀楽の鬼たちの気配が消えたのは同時だ。
「玄弥くん!」
「!」
「何が起こった?アイツはどうやって生まれた?」
「っ・・・アイツはさっきまで『怒』の鬼だった!」
『怒』の鬼なら積怒の事だろう、それが何故あのような姿に・・・。
「炭治郎が五体目を斬ろうとした時、アイツ錫杖を捨てて両手を掲げやがった、そして引き寄せたんだ。
『楽』と『喜』の鬼を!潰すように吸収された、瞬きするほんの一瞬だった!
そして俺が相手をしてた『哀』の鬼もアイツに吸収された!」
なるほど――・・・分裂ではなく結合したのか、しかし何故さらに若返っているのか。
〈分裂した時は力が分散して若返っていたのかと思っていたけど――・・・体を結合させたのならもとの老人に戻るはずじゃ・・・いやそもそも分裂や結合に老化や若返りも関係ないのか?〉
霧香が考えている間にも本体は樹木に覆われていく。
「待て!!」
叫ぶ炭治郎を『憎』の鬼が睨みつける。
「!!」
それはとてつもない威圧感だ、息が詰まる、心臓が潰れそうだ。
霧香も玄弥も同じく体が痺れる。
「何ぞ?儂のすることに何か不満でもあるのか?のう・・・悪人共めら」
声にも圧が込められている。
窮地に追い込まれ爆発的に力を発揮するのは人間だけではない。
『半天狗』という鬼はこれまで何度も何度も窮地に追い込まれた、そしてそのたびに己の身を守ってくれる強い感情を血鬼術により具現化、分裂し、勝ってきた鬼だ。
追い込まれれば追い込まれる程、強くなる鬼だ。
「ど・・・」
「?」
「どうして・・・どうして俺たちが『悪人』なんだ?」
ふと炭治郎が問いかけた。
「『弱き者』をいたぶるからよ、のう。
先程貴様らは掌に乗るような『小さく弱き者』を斬ろうとした。
何と言う極悪非道、これはもう鬼畜の所業だ」
『憎』の鬼は答える。
「小さく弱き者?誰が・・・誰がだ・・?ふざけるな!!
お前たちのこの匂い・・・血の匂い!!食った人間の数は百や二百じゃないだろう!!
その人たちがお前に何をした?その全員が・・・命をもって償わなければならないことをしたのか!?」
『何故、自分たちを『被害者』みたいに言うんだ・・・虫唾がはしる』
半天狗との戦いの序盤に霧香が言った言葉を思い出す炭治郎。