第60話 受け継がれていく記憶
名前変換
この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
詳しくは設定、注意書きをお読みください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「やった!頸を取っている!同時に斬っていれば倒せる!玄弥!!」
喜びのあまり玄弥に声をかける炭治郎、しかし彼の表情に固まってしまう。
「グルルル・・・」
玄弥の目は血走り、血管が浮き出て、歯からは鋭い牙、そして涎を滴らせている。
〈どういうことだ?あれじゃまるで・・・〉
「ガアアア!!」
「!?」
炭治郎の思考は空喜や可楽の叫びに引き戻される。
「何だ、この攻撃は!!再生できぬ!!灼けるように痛い!!」
先程まで頸を斬られても笑っていた余裕はどこへやら、子供のように動揺し喚き散らかしている。
「落ち着け見苦しい!!遅いが再生自体はできている!!」
そんな二人の声が耳障りなのかまた怒声を上げる積怒。
攻撃が効いていないわけではない、しかし彼らはまだ消滅はしていない。
しかも遅いだけで再生はされていると積怒は言っていた。
ならば答えは簡単だ、この鬼は『分裂した鬼の頸を同時に斬る』のが勝利条件ではなかったということだ。
炭治郎は自力で抜け出した禰豆子と彼女によって瓦礫を撤去され、助け出された響凱と合流する。
「炭治郎・・・」
「霧香さんっ」
そこへ同じく合流してきた霧香。
「もう気づいてるよね?」
「はい、頸は斬ったのに四体とも消えていない。でも頸が急所ではないなんてことはありえません」
「その通り、つまりコイツらの大元は別にいる。五体目の鬼が・・・」
「そうです!早く見つけなければ、その鬼の頸を斬らないとこいつらはきっと・・・つっ!!」
そこまで言うと炭治郎は頸を何者かに掴まれた。
「図に・・・乗るなよ」
「!?」
玄弥だ、哀絶を討ったままの姿で炭治郎に向かって来ていた。
「上弦を倒すのは・・・俺だ!!!」
「・・・・・」
玄弥の姿に霧香も疑念を感じる、出会った当初は人間の匂いしかしなかったはず、目でも音でも邪気は感じられなかった。
でも今の姿は『鬼』そのものだ、気配も匂いも・・・。
「上弦の陸を倒したのはお前の力じゃない!だからお前は柱になってない!」
「あっ!うん!そうだよ!」
「お前なんかよりも先に俺が・・・」
玄弥の手に力が入る。
「げ、玄弥!!涎が出てるぞ!!どうしたんだ!!俺の首を絞めているし!!」
炭治郎が抵抗するが玄弥は掴む手を緩めない。
「柱になるのは俺だ!!!」
ガシッ!
「「!?」」
「いい加減にしろ」
霧香が玄弥の腕を掴んでいる。
「炭治郎を離せ、でないと今度は私がお前の腕をへし折るぞ」
「つっ・・・!」
霧香の威圧に一瞬怯む玄弥だが負けずに食ってかかる。
「うるせぇ!!お前も邪魔すんな!!」
「・・・・・・」
「互角に渡り合えたからって偉そうにすんじゃねぇよ!同じ華陽隊でも上弦の陸の頸を斬ったのはお前じゃない、他の二人だ!お前も上弦の鬼に勝ったわけじゃない!!」
『フウー!フウー!』と興奮気味に捲し立てる玄弥。
何を勘違いしているのかわからないがため息が出る、とりあえずここでごたついても仕方がないので落ち着かせようとする霧香だが―――・・・。