第60話 受け継がれていく記憶
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「やめろ禰豆子!!指が切れる!!」
禰豆子は自分の手を傷つけ、その血を刀身に塗りつける。
すると炭治郎の刀が爆血によって燃え上がった。
そして燃えた刀身は炎の温度から変色し黒から赤になる。
『赤くなるんですねぇ』
「!」
『お侍様の刀、戦う時だけ赤くなるのねぇ。どうしてなの?不思議ねぇ。
普段は黒曜石のように漆黒なのにとっても綺麗ですよねぇ』
『そうだな、それに・・・・さんの刀も綺麗だな。白く透き通っているようで、あの人の刀と重なるとまるで朝陽を見ているように輝いて見えるよ』
そう言ったのは誰だ?
炭治郎の知らない人たち、聞いたことのない会話。
そこで思い出したのは小鉄の言葉。
『遺伝した記憶』
おそらく今は会話をしていた二人の言っていた『お侍様』とはあの耳飾りをした剣士のことだろう、とすればあの剣士も自分と同じ黒刀だったのだろうか?
そしてもう一人、名前は聞き取れなかったけれど・・・きっとあの人だ。
『駄目ですよ、そんなふうに言っては・・・あなたはあなたらしく、できることをしましたよ』
自分を否定し続けた剣士に対して優しい言葉をかけたあの女性。
きっとあの女性は耳飾りをしていた剣士をとても大切に想っていたのだと思う。
ずっと自分の価値を否定し続けていた彼の存在を認めていたのだと思う。
禰豆子の力によって炭治郎の刀は力を得た、刀身の色も変わった。
あの剣士とやり方は違えど今は同じようなものになっている。
人間は強くなる、しかし鬼はさらに強い。
どんなに成長したとしてもさらに上の鬼がいる、生身の体は傷を負い、ボロボロになっていく。
でもその度に誰かが助けてくれる、命を繋いでくれる。
「つっ・・・」
答えなければ――・・・禰豆子や霧香、響凱、そして今までもこれからも力を貸してくれるみんなのために。
みんなの願いは、想いは一つ―――・・・鬼を倒すこと、人の命を守ることだ。
「小細工したところで儂には勝てぬ!斬られたとて痛くも痒くもないわ!」
空喜が炭治郎に向かって突っ込んで来る。
「・・・・・」
炭治郎は燃える刀を振り上げた。
「・・・・!」
その光景を見ていた霧香、不意に口から言葉が漏れていた。
「縁壱、さん・・・」
炭治郎の姿がいつかの夢で見た若侍に重なる。
―― ヒノカミ神楽 ――
炎が舞い、龍の如く駆ける。
―― 日暈の龍・頭舞い(にちうんのりゅう・かぶりまい) ――
炭治郎の剣技は見事に三体の鬼の頸を斬り落とした。
「フウゥ――・・・」
斬り終えた後、炭治郎はずっと考えていた天元と赴いた遊郭で堕姫と対峙した時のことを彼女の頸を斬ろうとした間際の感覚、呼吸、力の入れ方。
体中が燃えるように熱くなった、そして額が同じく――・・・。
炭治郎は掴みかけてきた、とにかくこの鬼はあともう一体頸を斬れば倒せるはず。
四体目の鬼、哀絶を探していると玄弥の背中が見えた。
そしてその手には哀絶を頸を掴んでいる、胴体を槍で木に固定し、日輪刀で頸を斬り取ったのだ。