第60話 受け継がれていく記憶
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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ゴウッ!!
「「「!」」」
〈マズい、この風圧では呪符が持たないっ〉
強い圧力が結界の外からかけられる。
いくら陰陽師の結界とはいえ媒体が破損してしまえば効力は失われる。
現に霧香の呪符は風圧によって破け、剥がれてしまってもう結界の役割を果たさなくなってしまっている。
「ぐっ、うおおおおっ・・・!!」
「「!」」
すると響凱が壊された大きな瓦礫の板を掴み自分たちを覆うように風圧を防ぐ。
「響凱!駄目だ、そんなことをしても圧力はかかってくるんだぞ!!」
「・・・っ、わかっている・・・しかし、小生にはあの風圧を受け流せるほどの術は身につけていないっ・・・」
自分と禰豆子、そして風圧の間で壁の役割をしてくれている響凱。
押し潰さないように地面に腕を付いて踏ん張ってくれている。
「ムウッ!!」
禰豆子は響凱の肩に手をかけて下から支えている。
「禰豆子・・・」
彼女もまた守るべき仲間として響凱を助けようとしている。
〈そうだ、響凱にばかり頼ってはダメだ!俺もしっかりしなければ!!〉
炭治郎も響凱の肩に手を添えて彼が倒れない様に支える。
しかし建物自体は可楽の暴風によって全壊してしまう。
「カカカッ!随分見晴らしが良くなったのう!」
確かに建物が全壊したことによって場所は開けた。
カツン・・・
「「「!」」」
ガラガラッ―――・・・
瓦礫の一部が動く。
「・・・・・・」
「カカカッ、生きておるわ」
「運のいい奴よ」
「良い良い、実に良い」
瓦礫を掻き分けて出てきたのは霧香だ、風圧と飛んできた破片で負傷したのか隊服や羽織はすっかりボロボロだ。
そして左肩には薄っすら血が滲んでいる、どうやら先ほど空喜からの攻撃を受けたときにできた傷のようだ。
そして瓦礫を壁にして耐え忍んでいた炭治郎たちも生きている。
ただ響凱は負傷の上の負傷なので起き上がるのが辛そうだ、なんとか動ける炭治郎が必死に瓦礫をどかしている。
「ほう!こちらも生き残っておるわ!」
「カカカッ!良い、実に良いではないか!!」
「やかましい!お前たちはあちらを殺れ!儂はどうしてもこの娘をこの手で始末しなければ気が済まぬ!!」
積怒は錫杖を鳴らす。
「!」
炭治郎はこちらに向かってくる可楽と空喜に気付く。
〈どうする!?このままでは俺たちはもちろん霧香さんや響凱も――・・・〉
「小僧・・・小生に構うな、妹を連れて身を隠せ」
響凱が自分の体の下に半分埋もれている禰豆子を押しだそうとする。
「できるわけないだろう!!禰豆子もお前も見捨てない!!」
落ちている刀を持って応戦しようとすると急に禰豆子が刀を掴む。
「禰豆子っ!?何してるんだ、刀から手を離すんだ!!」
「ムッ・・・!!」
炭治郎が禰豆子の腕を掴んで離そうとするが禰豆子は頑として離さない、むしろ皮膚に食い込むほど強く握る。