第60話 受け継がれていく記憶
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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お前には禰豆子のこともある、生易しいとは思うなよ」
「!?」
―― 雪の呼吸・参ノ型 『八星模様』 ――
積怒の体に八星の切り傷が刻まれる。
「つっ!」
傷口から血液が噴き出す。
「がっ!?」
態勢を崩した所に日輪刀で喉を刺し貫かれる。
「人の幸せを奪うお前(悪鬼)たちは決して許さない――・・・地獄に堕ちるだけでは足らない、今この時も苦しめ」
積怒を刺し貫いている霧香の姿を後ろから見ている可楽と空喜。
攻撃しようと思えばできるのに体が動かない、何故か動けないのだ。
『人の幸せを奪うあなたを私は決して許さない――・・・地獄に堕ちるまで苦しむといい』
霧香の言った言葉が脳の奥底に何度も響く、そして訴えてくるのだ。
『恐ろしい』、『恨めしい』と――・・・恐怖と怒り、これはおそらく自分たちではない無惨の細胞だ。
無惨と繋がっている細胞が彼女の存在を恐れているのと同時に憎らしく感じている。
「・・・・・っ」
そこでようやく禰豆子が目を覚ました。
「ム・・・」
自分の倒れている兄と響凱に今までのことを思い出すと霧香の姿を探す。
そして上の階で膠着状態の霧香と三体を見つける。
膠着状態というよりは三体が霧香を恐れて動けないようだ。
さらに禰豆子は霧香の雰囲気の異変に気付く、自分の知っている優しく包み込んでくれる温かさは感じられない。
ただ冷たく、鬼を憎み、殺意を放つ別人だ。
「(ゆさゆさっ)」
このままではいけないと炭治郎と響凱の体を揺さぶる。
「うっ・・・」
先に目を覚ましたのは炭治郎だった。
「禰豆子っ・・・俺は・・・」
体の痛みに耐えて起き上がると倒れている響凱に気付く。
〈そうか、響凱が風圧から俺や禰豆子を庇ってくれたんだ〉
彼には本当に助けられてばかりである、そして彼の主である霧香を探す。
「ムウ!」
禰豆子に手を掴まれて上を見るように促される。
「つっ!?霧香・・・さん・・?」
炭治郎も違和感を覚えたようだ、彼女の姿は自分の知っているものではない。
「あれは本当に霧香さんなのか?あんな姿見たことない・・・」
「・・・・おそらく妖の血が目覚めた故だろう」
「!」
そこへ禰豆子によって目を覚ました響凱が起き上がってくる。
「響凱・・・どういうことなんだ?妖の血って・・・」
「五大呪術家の者が人間と妖の間に生まれた子供の子孫であることは知っているだろう?」
「あ、ああ・・・確かに霧香さんから聞いたけど」
「あれは妖の血が目覚めて、その姿になろうとしている過程の姿だ」
「じゃあ・・・霧香さんのもう一つの血の力が体に影響しているっていうことなのか?」
「そうだ、だが暴走というわけではない。
小生たちの周囲に結界が張られている、おそらく霧香が小生たちを守るために施したものだ。
暴走しているのならこのような気遣いはしない、もっと無作為に無差別になっているはずだ」
「なら、霧香さんは周りが見えているんだな!よかった!」
周りの事が見えているなら自分たちのことも認識できるはずだと炭治郎は安心する。
「つっ」
炭治郎は安心したことで声が大きくなってしまった、それにより自分たちが目覚めたことを上の階の三体に気付かれてしまう。
「可楽、何をしている!!この際構わん!!建物ごとその結界も押し潰してしまえ!!」
喉を貫かれている積怒が怒声を上げる。
「つっ!言われずともそのつもりじゃ!!」
葉団扇を構える可楽、空喜も可楽を掴んで飛び上がる。
「潰れろっ!!小童ども!!」
先程よりも強い風圧が建物にのしかかる。