第59話 鋼の鬼・百合若
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「お・・・長・・・」
その頃、鉄珍のいる屋敷にはもう怪物が攻めてきていた。
里を常駐で警護していた隊士たちは呆気なくやられてしまい、里の警護の者たちも負傷している。
鉄珍自身は怪物の大きな手で体を強く握られ吐血している。
〈大きすぎる、この化け物っ・・・攻撃がまるで効かん・・・異常に動きも速いっ・・・どうしたら、いいのだっ・・・!〉
息も絶え絶えの警護の者が的を救おうと起き上がろうとする、そこへ駆けつける者がいる。
「動かない方がいいですよ!多分あなたは内臓が傷ついているから」
「つっ・・・!かっ・・・甘露寺殿・・・!」
そう、恋柱・甘露寺蜜璃その人である。
彼女は自分の愛刀を手に鬼を見据えている。
しかし蜜璃の愛刀はとても奇妙なものだった通常の刀とは違い、薄く、柔らかくまるで布のようにはためいている。
「モオオオオォォッ!!」
怪物も蜜璃に気付き、襲いかかってくる。
「恋の呼吸・壱ノ型――・・・」
蜜璃が刀を振るう。
「『初恋のわななき』!!」
「・・・・・モ”?」
「私、いたずらに人を傷つける人にはキュンとしないの」
ピシッ――・・・
蜜璃がそう言葉を放つと怪物の体に無数の切り傷が入り、ボロボロと崩れ去った。
「ああっ・・・長っ・・・!」
「鉄珍様!!」
蜜璃が怪物の手から解放された鉄珍を受け止める。
「大丈夫ですか?鉄珍様!!しっかり・・・!!」
「う・・・」
「鉄珍様、聞こえますか!?」
「うう・・・若くて可愛い娘に抱きしめられて何だかんだで幸せ・・・ゴフッ」
「(ドキュン!)やだもうっ!鉄珍様ったら!」
殺されそうになったというのになんてことを言っているのだ里長よ・・・。
「そういうことは体調全快の時に言ってくださいな?鉄珍様」
「あ!琴乃ちゃん!」
いつの間にか琴乃も追い付いている。
「もうやっつけてきたの?」
「はい、百合若のおかげで手早く済みましたわ」
「・・・・・」
「!?」
琴乃の数歩後ろに立っている百合若にまたびっくりしてしまう蜜璃。
「大丈夫ですよ、甘露寺様~。百合若は寡黙な子ですけど女性にとても優しいんですよ」
「・・・・・(プイッ)」
「(あら?)」
ふいに顔を背けた百合若に首を傾げた蜜璃だが彼が恥ずかしがっているのだということにすぐに気づいた。
だって彼の耳が真っ赤だったから。
「(キュンッ!!)」
これがギャップというものだろうか、つい心の中で『可愛い』と感じてしまった蜜璃。