第58話 狂喜の芸術家
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「光の呼吸・伍の型――・・・『一線一瞬』!」
アカリの高速の一閃が血鬼術の魚の背中の壺を斬る。
「・・・・・」
無一郎も同様にもう一体の背中の壺を叩き割った。
二人は今、小鉄の案内で鉄穴森の救出に来ていた。彼は霧香と炭治郎の刀を研いでいる鋼鐵塚と笙を見守っていたのだ。
「おおっ!時透殿!焔様!これはありがたい!!瞬きもする間に斬っている!!」
鉈を持って応戦していた鉄穴森、二人が駆けつけたことに安心しているようだ。
「鉄穴森さん!!」
「ああ、小鉄少年!!無事でよかった!!正直もう死んでると思いましたよ!!」
さりげなく毒を吐いている鉄穴森。
「・・・・コホン」
場の空気が微妙になりそうだったのでアカリが軽く咳払いをする。
「鉄穴森さんもご無事で何よりね、鋼鐵塚さんと笙さんは?」
「はい、まだ小屋の中で刀を研いでいます。申し訳ありません、私では力が及ばず・・・」
「仕方がないわ、こればかりは・・・」
「あなたが鉄穴森という人?」
会話に無一郎が割り込んで来る。
〈ちょっっっっとおぉぉ!!!〉
『人が話してんのに割り込んでくんな』という気持ち(と拳)を抑えながら無一郎を睨むアカリ。
「俺の刀用意してる?早く出して」
そう言いながら先ほどまで自分の使っていた刀を差し出す無一郎。
「おやっ!これは酷い刃毀れだ!」
「だから里に来てるんだよ」
「なるほどなるほど、では刀をお渡ししましょう」
トントン拍子に話が進んでいく。
「・・・・・随分話が早いね」
「良かったですね、感謝したらいいですよ」
「小鉄くん、今はあんまり毒は吐かないで」
「いえいえ、いいんですよ」
さりげなく忠告するアカリに対して笑って答える鉄穴森。
「実を言うと炭治郎くんと霧香さんに頼まれていたんですよ、あなたの刀のことを。そしてあなたをわかってやってほしいと」
「炭治郎・・・と霧香、さん・・・が?」
「はい、特に霧香さんは頭部の負傷の件など無かったことのように言っていましたよ。あなたは焔様と似て『根が純粋な人だから』と」
「「・・・・・」」
『似ている』と言われた二人はお互いを見合う(困惑してる)。
「だから私は時透殿を最初に担当をしていた刀鍛冶を調べて――・・・あっ!その前に鋼鐵塚さんと笙さん!」
話にのめり込みそうになった鉄穴森は思い出して小屋に走り出す。
「時透殿の刀は二人がいる小屋に置いてあるんです!それを持ってすぐに里長の所へ向かってください!!」
「いや駄目だ」
「えっ?何で――・・・げうっ!?」
「うぐっ!!」
「・・・・・」
鉄穴森の羽織の首根っこを掴む無一郎と腕で小鉄を止めるアカリ。小鉄は反動で咽た。
「二人とも下がって」
「いってえよ!何だよ突然!?」
「うるさい、来てるんだよ」
アカリに怒りだす小鉄だが無一郎の言葉に愕然とするのだった。
「ヒョッ!」
草陰からガサガサと音を立てて出てきたのは見覚えのある壺。
あの魚の人形の背中にあったものだ。
「そんなにこのあばら屋が大切かえ?
コソコソと――・・・何をしているのだろうな?ヒョッヒョッ」
しかし聞こえたのは人語、あの気味の悪い魚の声ではない。
そして壺からもぞもぞと――・・・・主が現れる。