第5話 鼓の屋敷
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「あの~っ・・・やっぱり無理ですよ~~っ!俺が行っても力になれないと思うんですよ~っ!!」
「それは違うわ、善逸くん。
任務は『やるか』、『やらない』かの問題よ!それに君ここまで生き残る悪運があるんだから、これ以上どんな怖い目に遭っても死なないわよ」
「その確信はどこから出てきてるんですかっ!?琴乃さんっ!?」
炭治郎、霧香、アカリ、琴乃は目的地に向かってズンズン進んで行くが善逸に至っては琴乃に抱えられながら連れてこられている。
「炭治郎、気づいてる?」
「はい、鬼の臭いが近づいてます」
一行が森を抜けてみた場所は一件の古い屋敷だった。
「ここですね、血の匂いがする」
「え?何か匂いする?」
「ああ、でもそれとは別に何か嗅いだことのない匂いもする」
「俺には音しか聞こえないけど・・・」
「音?」
お互い『臭わない何か』と『聞こえない何か』の存在に困惑している炭治郎と善逸。
「どうやら炭治郎とは違って『耳が良い』んだね、善逸くんは」
「え?」
振り返ると霧香が笑いかけている。
「最終選別で君が生き残れたのは『耳が良かった』からかもしれないね。
炭治郎もいろんな匂いを嗅ぎ分けて最終選別を生き残ったんだ、運もあるとは思うけど、その『耳の良さ』は君の才能だよ」
「才能・・・」
霧香の褒め言葉に少し『ほわん』とする善逸。
「誰っ!?」
「はひィィィッ!!」
しかしアカリが警戒したことで一気に緊張の叫びに変わる。
アカリが見据えた先には幼い男女の子供が怯えて立っていた。
「子供?」
「匂いからして人間だね、君たちここで何して・・・」
霧香が近付くと二人は怯えて後づ去る。
どうやらこちらを警戒しているようだ。
「・・・・・」
霧香は懐から紙を取り出した。
「琴乃、アカリも協力して」
「うん。いいわよ」
「何を始める気なの?」
「いいから・・・君たち、何か好きな動物はいる?」
「・・・う、兎・・」
「そう、兎だね」
紙に呪文を唱えると折りたたんで手の中に隠す。
「ほら、見てごらん?」
「「!」」
手を開くと手のりサイズの水兎がちょこんと座っている。
「他にはあるかな?」
「猫と・・・犬・・」
霧香に目配せされた二人は同じように紙に呪文を吹きこみ、手の中に隠す。
「じゃーんっ!珠猫(たまねこ)よ」
「こっちは守れ火犬(もれびいぬ)よ!」
三人は怯えている二人の緊張をほぐすために自分たちの式神を出して見せたのだ。
「大丈夫、私たちは人間だよ、君たちを救いにきたの」
「っ・・・」
「・・・・」
『救い』という言葉に今まで緊迫していた糸が解けたのかその場に座り込んでしまう。
「ここで何かあったの?あの家は君たちお家?」
「ちがう・・・ちがう・・・」
二人のうち男の子の子供の方が話し出す。
「ば、化け物が・・・あれは化け物の家だ・・・、兄ちゃんが連れて行かれて・・・・夜道を歩いてたら、急に・・・俺たちには目もくれないで、兄ちゃんだけ・・・」
「その化け物があの家の中に入ったんだね?」
「うん・・・」
どうやらこの子たちは鬼に攫われた兄を助けるためにここまで追ってきたようだ。
「二人でここを突き止めたんだな、えらいぞ、よく頑張ったな」
二人が話せる状態になったのを見た炭治郎も話しかけた。
「兄ちゃんの血の跡を辿ったんだ・・・怪我してたから・・・」
「大丈夫だ、俺たちが悪い奴を倒して兄ちゃんを助けるよ!絶対に!」
「ほんと?ほんとに・・・?」
今まで口を開かなかった妹の方も炭治郎に縋り付く。
「ああ、お兄ちゃんとお姉ちゃんたちが必ず助けるよ」
その時だ――――――。