第56話 霞の中で
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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鬼に襲われていた小鉄を助けた無一郎はそのまま鬼の頸を斬り落とす。
「ギョッギョッ」
魚の鬼は頸を斬られてもビチビチッと蠢く、しかし消滅する気配はない。
しかも首が再生してきている。
そこで無一郎はこの鬼は『本体』ではなく術によって作られた『仮初』であることを見抜く。
〈なら、こっちか〉
次に背中にある壺を刀で叩き割った。
「ヒイイイィィ!」
すると奇声を上げて鬼は消滅した。
〈壺から力を得ていた・・・やはり血鬼術で作られたものか〉
消滅した鬼を見ていると急に抱きつかれた。
「うわあああ!!ありがとう~~!!」
小鉄だった、助かったこと助けられたことに歓喜しているようだ。
「死んだと思った!俺、死んだと・・・怖かった、うわああ!!」
だばばばばばっと面越しに涙を流している。
「時透様!」
「っ・・・!アカリ、どうしてここに・・・」
そこへアカリがやってきた。
「鬼の急襲があったと報せを受けて現場に駆け付けるところだったんです、そしたら血の匂いがしたので誰かが襲われているのではないかと・・・と思ったんですが、なんですか?この状況は?」
無一郎にしがみついている小鉄を見て状況が読み取れない。
「い、今、俺!襲われてたの!!魚みたいな鬼に!でも手足が生えててすっごい気持ち悪かった!!」
思い出しただけでも恐ろしい様子の小鉄、ガタガタと震えている。
「そこを時透様に救われたの?」
「そう!そうなんだ!!命の恩人だよ!!
昆布頭とか言って悪かったよう!!ごめんなさい~~~!!」
「え?昆布頭?」
確かにおでんの結び昆布にヘアスタイルが似てはいるが・・・。
「昆布頭って僕のこと?」
「わあああん!!すみませぇん、嫌いだったんです!!」
あっさり白状する小鉄。
「・・・・・」
すっかり置いてきぼりのアカリ。
「それより華陽隊の他の人は?もう一人女の人いたよね?」
「琴乃は里の方の救助に向かいました、ここに来る前に揚羽から戦況を聞いています。
しかし今この場で時透様と対峙していたのは別の鬼だと思います。霧香たちが戦っている鬼とは別にまだ里に入り込んでいる鬼がいるのなら本体が里の方にいるのかもしれません」
「うん、そうだね。
じゃあこんなことしている場合じゃないや、僕たちはもう行くから後は勝手にして」
アカリの手を引いて去ろうとする無一郎を小鉄が必死で止める。
「待ってください!鉄穴森さんも襲われているんです!
鋼鐵塚さんと笙さんが刀の再生で不眠不休で研磨をしているから・・・どうか助けてください!!」
二人の隊服を掴んで縋る小鉄。
「鋼鐵塚さんと笙さんが?それってあの炭治郎と霧香の刀ってことよね?」
「そうです!すこしでも手を止めてしまうともう駄目駄目なんです、どうか・・・!!」
小鉄は膝を折って懇願する。
「わかったわ」
「!」
「私はこの子と一緒に鋼鐵塚さんと笙さんを助けに行きます、時透様は霧香たちと合流を」
「ああ、うん・・・」
「霧香は私の大切な仲間です、最初は大嫌いだったけど・・・・彼女と一緒にいて私は変わったと思います。
人として成長もできましたし、もっと大事なことも教えてくれました。
だから今度は私が彼女の助けになりたい、彼女の日輪刀は私は必ず守ります」
アカリはそう言ってニッコリ笑った。