第55話 四体分裂
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「つっ・・・玄弥、くんっ・・・!?」
そう、不死川玄弥だ。彼が鬼に銃撃を喰らわせたのだ。
銃弾は鬼の頸を撃ち抜き、刎ね飛ばした。
「おおおお。これは楽しい・・・おもしろい・・・、初めて喰らった感触の攻撃だ」
しかし葉団扇の鬼はまだ完全に頸を撃ち落とすことができていなかったようだ。
ぷらーん・・・と頸を垂れ下げながら楽しそうに玄弥を見ている。
〈一匹仕留め損ねたかっ〉
玄弥が日輪刀を抜いて降りて来た、トドメをさすために。
「ダメ!頸を無暗に斬るな!!」
霧香の忠告も虚しく玄弥の刀は『楽』の鬼の頸を斬り飛ばした。
「玄弥!駄目だ!!こいつは簡単には倒せない!!」
「!」
そこで炭治郎も叫んだ。
「どういうことだよ!?」
「こいつは斬った分だけ分裂する!頸を斬らせることに抵抗がない、そう仕向けてる!」
「!?」
そして気にかかることがもう二つ、最初は老人だったはずなのに二体に分裂した時には若返っている。
そして能力だ、錫杖鬼は雷撃、葉団扇鬼は風。各々違う能力を持っている。
もし分裂する度に若くなり、そして個々の能力が別々であるならば上弦の鬼であるが故に非常に厄介だ。
「炭治郎、玄弥、一人になるな!離れたら――・・・っ!」
そこで強い風が横切る、しかしあの『楽』の鬼の突風ではない。素早いが浅い風だ。
「カカカッ!!喜ばしいのう!!分かれるのは久方振りじゃ!!」
鳥獣のような鬼が炭治郎を掴み、飛び上がっている。
「炭治郎!!」
「!」
三体目の鬼だ、ならば――・・・。
「哀しい程弱い・・・」
やはりだ、槍を持った鬼に玄弥が刺し貫かれていた。
〈四体目・・・さっきの二体よりも若い!〉
玄弥を助けるために矛を持った鬼に向かって行く霧香。
「つっ・・・禰豆子!お前も行け!!霧香さんと玄弥を助けろ!!」
「人の心配とは余裕があるのう」
「!!」
鳥獣鬼の口が開く、舌には『喜』の文字。
キイイイィィ――
「!」
ギャイイィィン!!
「があっ!」
炭治郎は鳥獣鬼の音波攻撃を受けてしまう。
「つっ!炭治郎!」
つい足を止めてしまう霧香。
ところが鳥獣鬼の足も斬れている、どうやら吹っ飛ばされる前に足を斬り落としたようだ。
〈攻撃の前に足を斬り落としたのならまともに喰らうことは避けただろう、でも影響がないわけじゃない〉
霧香は懐から観世水の円盤を取り出し、響凱を呼び寄せる。
「響凱!」
呼び出された響凱は状況を見てすぐに理解が出来た、新たな敵、それもかつて自分を縛っていたあの男の血の匂いに近い存在であること。
「やつらを倒せばいいのか?」
「ううん、今回は炭治郎を補佐してほしい」
「!?」
「今、炭治郎はあの鳥獣のような鬼の攻撃を受けて建物の外に落ちた。すぐに向かって欲しい」
「しかし――・・・」
響凱にとって霧香は主であり、最も守らなければならない存在だ。
「お願い、炭治郎を――・・・家族を守ってほしい」
「・・・・・承知した」
響凱は巨体とは思えないほどの素早さで建物の外に向かった。
〈よし・・・これでこちらに集中できる!〉
響凱が出たことを確認すると再び三体の鬼と対峙する霧香だった。