第5話 鼓の屋敷
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「おい、いい加減に・・・・」
「何で邪魔するんだよォ・・・せっかくあの子と結婚できるところだったのにィ!!」
「・・・・・」
炭治郎の目が『哀れみ』を含めて少年に向けられる。
「やめろ――――ッ!!何でそんな別の生き物を見るような目で俺を見てんだ!!
お前、責任取れよ!お前のせいで俺は結婚できなかったんだからな!!」
「・・・・・・」
「何か喋れよ!!」
そう言った時、金髪少年は炭治郎の後ろにいる霧香を姿を捉えた。
「そこのお姉さん!!僕と結婚してくださいィィ―――ッ!!」
「つっ!?」
急なことで反応が遅れた霧香だったが・・・。
「霧香さんに近づくなッ!!」
炭治郎が抑え込んでくれたため助かった。
「ふ~ん?ねえ、君・・・何でそんなに『結婚』したいのかしら?」
「僕はもうすぐ死ぬんです!!次の仕事で!!俺はもの凄く弱いんです!舐めないでくださいよォ!!」
「そ、そんなことを威張られても・・・・」
霧香の言葉に同感な炭治郎と琴乃。
「あのな、さっきから『お前』呼ばわりしてるけど、俺にも名前がある竈門炭治郎だ!」
「そうかい!!ごめんなさいね!!
俺は我妻善逸だよ、助けてくれよ、炭治郎!!」
「『助けてくれ』って・・・善逸くん、君、鬼殺隊の剣士でしょ?剣技ぐらい使えるんじゃないの?」
「俺は女に騙されて借金したんですっ!借金の肩代わりしてくれたジジイが『育手』だったの!
毎日毎日、地獄のような鍛錬だったよ!『死んだ方がマシ』ってくらいの!!
最終選別で死ねるかと思ったのにさ!!運よく生き残るから未だに地獄の日々なんです~~~っ!!」
『我妻善逸』と名乗った少年は尚も暴走するが、そこに素早い鉄拳が頭に落とされる。
「ブホッ!!」
「いい加減にしなさいよねッ!!これ以上、恥晒すんじゃないわよ!
あと師匠を『ジジイ』扱いするなんて失礼過ぎにも程があるわよ、善逸っ!!」
「へ・・・?」
鉄拳を食らったことでタンコブができた善逸だったが目の前の人物に困惑していた。
「あ、アカリ!?」
「『さん』をつけなさいよッ!『さん』を!この馬鹿弟弟子が!!」
「え・・・・」
「「ええ―――――っ!!!」」
――――――――――――――
その後、落ち着いた善逸を連れた四人はとりあえず炭治郎と華陽隊の目的地に向かって歩いていた。
「善逸くんがアカリの弟弟子だったなんてね~、世間って狭いわ~」
「フン!」
華陽隊の三人が前を歩き、炭治郎と善逸は後ろを着いてくる。
「でもアカリ・・・それならそうと何で言わなかったの?最終選別でも話してなかったみたいだし」
「こんな腰抜けに話すことなんかないわよ!」
「ビクッ!」
『腰抜け』というワードに肩を震わせている善逸。
「ちょ、ちょっと・・・アカリ、今のはひどいんじゃない?」
「いいのよ!あいつも自負してるんだから!」
さっきの女の子なみに怒っているアカリ。
『やれやれ』と思いながら霧香は後ろでシュンとしてる善逸に話しかけた。
「少しは落ち着いた?善逸くん」
「は、はい・・・」
その時、善逸の腹が鳴った。
「全く・・・あれだけ『死ぬ死ぬ』連呼しておいてもお腹は一人前に減るのね」
「まあまあ、アカリ・・・・善逸くん、何か食べるものは?」
「持ってません・・・」
霧香は肩掛けの鞄から包みを取り出した。
「干し菓子だよ、食べな」
「あ、ありがとうございます・・・あの霧香さんたちは?」
「私たちのことは気にしないで良いよ」
「霧香の気持ちだから受け取っておきなさい、ねえ?善逸くん」
「あ、はい・・・炭治郎も食べるか・・?」
「ありがとう、いただきます!霧香さん」
「どうぞ」
二人は仲良く干し菓子を分け合って食べている。
「ところで善逸くん、鬼が怖いのは分かるけど鎹雀を困らせたらダメだよ」
「え?雀?」
「君の傍でずっと鳴いてたこの子」
霧香の肩には助けを求めに来た雀が乗っている。
「何でも『君がずっとそんなふうで仕事に行きたがらない』とか『女の子にすぐにちょっかいかけに行く』とか『イビキがうるさくて困る』って言ってるよ」
「え!?鳥の言葉わかるんですか!?」
「うん、この子は雀だから人語を伝えるのは上手くないみたいだけど・・・・」
「カァァ!!駆ケ足!!駆ケ足!!炭治郎、善逸、華陽隊、走レ!共ニ向カエ!次ノ場所マデ!」
炭治郎の鎹鴉の松衛門が鳴く。
「実際はこんな風に話してるんだよ」
「~~~~~~っ!?
ギャ―――――――――――ッ!!カラスが喋ってる!!」
また盛大に引いている善逸、そんな大袈裟なリアクションで体を痛めないのだろうかと思わざる負えない炭治郎と霧香だった。