第54話 臆病鬼
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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鋼鐵塚が無事に見つかり、また霧香の刀の完成予定を聞いて安心したは良いものの、刀を『研がせろ』、『駄目だ』のやり取りは続いていたので結局、鉄穴森の提案で同じ場所で作業をしようということになった。
『互いに気が散るのでは?』と霧香は逆に聞いたのだが鋼鐵塚はあっさり了承、笙も『勝手に刀に触れられるよりはいい』と承諾。ブツブツ文句を言いながらも鉄穴森と小鉄と一緒に山奥へと引っ込んで行った。
―――・・・そしてその後、炭治郎と霧香がどうしたかというと・・・。
「研ぎ終わるのが明後日になるんだ、その研ぎ方がすごい過酷みたいで死んじゃう人もいるとか言ってて、心配だよ(バリボリ)」
「・・・・・・(ポリポリ)」
「絶対覗きに来るなって言われてるんだけどさ、見に行ってもいいかな?」
「知るかよ!!出てけお前ら!!友達みたいな顔して喋ってんじゃねーよ!!」
一方的に話しかけられ、聞かされていた玄弥がついにキレた。
「えっ!?俺たち友達じゃないの?」
「違うに決まってんだろうが!!
てめぇは俺の腕折ってんだからな!忘れたとは言わせねぇぞ!!」
〈・・・・・そりゃそうだ〉
最終選別が終わった際に輝哉の子供の髪を掴んだところを炭治郎に止められ、その時に腕にヒビを入れられたのを覚えている玄弥。
「あれは女の子を殴った玄弥が前面的に悪いし、仕方ないよ」
「下の名前で呼ぶんじゃねぇ!!」
「(ポリポリ・・・)」
『そんな澄んだ目で正論を言わなくても』とか『炭治郎だんだん言動が杏寿郎さんに似てきたな』とか思いながら煎餅を食べている霧香。
「あ、このお煎餅美味しいよ、食べる!!」
「クソが!!」
炭治郎が差し出した煎餅を叩き落とす玄弥。
「いらねーっての!!消えろ!!」
「?」
そこで霧香はあることに気が付いた。
「玄弥くん、君、前歯抜けてなかったっけ?」
「・・・・・」
霧香の言葉にピタリと動きを止める玄弥。
「見間違えだろ」
「いやいや、だって炭治郎、抜けた前歯持ってるよ?」
「はい」
「何でとってんだよ!?気持ち悪ィな!!」
「いや、だって落とし物だし」
「そうそう、抜けた歯は大事にしないと」
「何なんだよお前ら!?正気じゃねぇ!!捨てろや!!」
玄弥は我慢の限界とばかりに炭治郎を部屋の外に蹴り出し、霧香の首根っこを掴んでポイッと放り投げた。
「霧香さんっ!大丈夫ですか!?」
「あ、うん」
背後でピシャリッ!!と障子が閉められる。
「炭治郎・・・やっぱり玄弥くんと仲良くするのは諦めたら?」
「う~ん・・・・何であんなに怒ってるんでしょうね?やっぱりお腹空いてるのかな?」
「・・・・・・」
『そうじゃないだろう』と思ったが敢えてもう何も言わないことにした霧香。
「とりあえず部屋に戻りな、炭治郎。禰豆子ちゃんも待っていることだし」
「あ、そうですね!」
立ち上がると部屋に戻るように促すと炭治郎も同じく立ち上がった。
「明日、鋼鐵塚さんたちの様子を見に行ってみます!霧香さんも一緒に行きましょうね!!」
「・・・・いいけど、小屋の外から見るだけにしておこうね。邪魔するといけないし」
「はい、それじゃあお休みなさい!」
ペコリとお辞儀をして去って行く。