第53話 古(いにしえ)の刀
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「あっ、鉄穴森さん!!」
「え?知り合い?」
「はい、伊之助の刀を担当している刀鍛冶の方です。ご無沙汰してます」
「お久しぶりです、炭治郎くん。
鋼鐵塚さんはくすぐられるとしばしグッタリしますので私から説明します」
そして鉄穴森と呼ばれた男は霧香の前に来た。
「あなたとは初対面ですね、鉄穴森と申します。お見知りおきください」
「海野霧香です、こちらこそよろしくお願いします」
お互い丁寧にあいさつを済ませると鉄穴森が微笑まし気に頷いた。
「炭治郎くんのおっしゃる通りの方ですね」
「え?」
「奈田蜘蛛の任務が終わった後、鋼鐵塚さんと一緒に刀を届けに蝶屋敷に伺いました。
その時にあなたのことを炭治郎くんがいろいろ話してくれたんです」
それで納得した、炭治郎のことだからキラキラした表情で自分や華陽隊の他の二人のことも話したのだろう。
「それで鉄穴森さん、先程の説明というのを聞かせてもらえますか?」
「そうですね、その前に炭治郎くん、鋼鐵塚さんを許してやってくださいね。彼は今まで山籠もりで修業をしていたんです」
「修業?」
「はい、君を死なせないように・・・もっと強い刀を作るために。彼はこういう性格ですから素直に言わないけれどね」
「俺のため・・・」
鋼鐵塚の失踪の理由が自分のためと聞いて心が温かくなっている。
「君はずっと鋼鐵塚さんに刀をお願いしているでしょう、嬉しかったんだと思いますよ。
この人、剣士さんに嫌われて担当を外されること多かったから」
「そ、そうなんですか?」
「うん、そんな気がする」
「あ、わかりますか?」
炭治郎とは反対に納得した霧香に鉄穴森が意外そうに声をかける。
「う~ん、情熱的でこだわりが強い故に執念深いというか・・・本当に鍛冶師という職業や刀が好きなんだということと、自分の作品を愛しているから刃毀れや破損してしまった時の喪失感や怒りが大きいんだと思います。
でもその発散の仕方が・・・・何というか少し、いえ・・・かなり問題あるといいますか」
炭治郎に送られてきた手紙の事を思い出して苦笑いをする霧香。
「人付き合い下手なんですよね、この方。だから未だに嫁の来手もいないんですよね」
バテている鋼鐵塚に小石を当てていた小鉄が呆れている。
そしてそこにまたまた新たな人物が・・・。
「は~が~ね~づ~か~~~っ!!」
「「「!?」」」
「あれ?笙さん?」
何と茂みをかき分けてやってきたのは琴乃の兄の笙だった。
「ようやく見つけたぜ~~っ・・・」
ゼイゼイと息切れしている笙。
「笙さん、何故ここに?今、工房にいるはずでは?」
「おー、霧香か・・・・」
とりあえず座るように促す霧香。
「鉄穴森と小鉄は知ってるがお前は初めてだな?」
「あ、俺は竈門炭治郎といいます」
「ああ、お前が炭治郎か。霧香や琴乃から話は聞いてるぜ」
「琴乃さんを御存じなんですか?」
「笙さんは琴乃のお兄さんで黒鉄家でも指折りの鍛冶師なんだよ」
霧香の言葉の後に炭治郎の前に手を出す笙。
「改めて権現門黒鉄家の笙だ、よろしくな」
笙の手を握った炭治郎は驚いた、杏寿郎や天元の手も大きく感じたが笙の手は大きいだけでなく固かった。まさに職人の手だ。この手で五大呪術家の武器を数多く鍛造して来たのだ。
炭治郎はその技が沁み込んだ手にただ感動するしかなかった。
「それで俺がここにいる理由なんだが・・・霧香、お前の刀にも関係あることだ。
お前から依頼を受けて刀を研ぐつもりでいたんだが、状態をよくよく見ると刀全体がもう限界が近いと感じた。じじい(鉄斎)に見せても同意見だった。
だからお前に『研ぎ直す』のではなく『新しい刀を作り直す』のが良いと手紙を送った」
「はい、拝見しました」
「それで俺は鉄珍様に文を送り、里で鍛造できる準備をしておいてくれと頼んだんだ。それがひと月前のことだ」
つまり霧香の療養中に既に里と話がついており、作れる段階に至っていたというわけだ。