第53話 古(いにしえ)の刀
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「小鉄くんがここまで言ってるんだから、貰っておきなよ炭治郎」
「霧香さん・・・」
「それに戦国時代の鉄はとても質が良いんだって」
「そうなんですか?」
「うん、琴乃から聞いたんだけどね。
戦国時代ってまさに国と国とが争う戦乱の真っ只中の世の中だったから、質の悪い鉄で武器を作ればすぐに破損してしまう。
そうなったら自分の命や家族、部下たちを守れないでしょ?だからより腕の良い鍛冶師により質のいい鉄を用いて貰って刀を作ってもらっていたんだって」
「はあ・・・なるほど」
「それに甘露寺様が言っていた『秘密の武器』ってこれかもしれないよ?三百年以上前の刀だから私たち剣士からしてみるとまさに『宝』だと思うよ」
霧香の言葉にハッとした炭治郎、すっかり蜜璃に聞かされたことを忘れていた。
「せ、せっかくですから抜いてみます!?」
「そ、そうだね!見たいよね!!」
霧香から刀を受け取りドキドキわくわくしながら鞘から抜いてみる。
「「錆びてる・・・・」」
「三百年以上も手入れをされてなければ錆びてるでしょうよ、まずは研ぎ直さないとね」
項垂れている二人の肩に手を置いてポンポンと宥めている霧香。
「そうですよね、三百年も手入れをされてなければ・・・すみません、ぬか喜びさせて・・・」
「ううん、大丈夫!!気にしてないよ!!」
「炭治郎、言葉とは裏腹に表情が本音を物語ってるけど・・・」
「うわあああ!炭治郎さん!!ごめんね!!」
涙でボロボロの炭治郎に小鉄が慌て、霧香はまたもやため息。すると木の茂みの奥から何やら物音がした。
ズン・・・ズン・・・
「!?」
「何だ?」
「?」
音からして小動物ではない、かなり大きい。
そしてその正体はすぐにわかった、茂みからズンズンと出てきたのは・・・。
「うわああああああ!!誰!?」
「は、鋼鐵塚さん!?」
そう、里で行方をくらませ、炭治郎や霧香が探していた鋼鐵塚蛍その人である。
「・・・・なんか随分体格変わってません?」
霧香が鋼鐵塚に会うのは最終選別後、鱗滝と暮らす山小屋で日輪刀を受け取った時だけだったが、ここまで筋肉質ではなかったと記憶している。
「話は聞かせてもらった・・・後は任せろ・・・」
「何を任せるの!?」
鋼鐵塚は炭治郎の刀を掴むと持って行こうとする。
「は、放してください!ちょっ・・・何で持って行こうとするんですか!?」
「俺に・・・任せろ・・・」
「いいや、これは小鉄くんのですから!!」
「任せるんだ・・・」
炭治郎と小鉄は刀を持って行かせまいと必死で抵抗している。
「説明してくださいよ!鋼鐵塚さん!!」
「任せろ・・・」
「いや・・・!!だから何を!?」
「俺に任せろと・・・言ってるだろうが!!」
終いには体を大きく揺さぶって炭治郎と小鉄を振りほどいてしまう。
「大人気ない・・・」
事のやり取りを見ていた霧香は何度目かのため息をついた、するとそこへまたひょっとこ顔が現れる。
「少年たちよ、鋼鐵塚さんの急所は脇です。ここを狙うのです」
そう言って鋼鐵塚の脇をくすぐり始めた。
途端に鋼鐵塚は笑い転げてあっという間に力尽きる。